髪の長さひとつで、印象が大きく変わることもありますよね。
髪の毛が短かったルイス（＠luiohkubo）さんは、7年付き合っていた彼女に振られてしまい、心身のバランスを崩して髪の毛を意識することもできなくなりました。その2年後、ロングヘアとなりSNSに投稿したところ「素敵」「進化した」「美しい」などのコメントが寄せられています。
これまでの道のりについて、ルイスさんに話を聞きました。
出会いと恋、そして別れ
彼女と出会ったのは、ルイスさんの誕生日パーティーでした。
当時、芸能活動でメディア出演も増え順調だった一方、SNSでのアンチコメントや嫌がらせに心が疲れ始めていた頃でもありました。当時は人の反応ばかりを気にしてしまい、目が合うだけでも怖さを感じていたと、ルイスさんは語ってくれました。
そんな中、友人が連れてきた彼女は、パーティーにもかかわらず控えめな装いで、その姿にルイスさんは目を奪われ、一目惚れしたといいます。その場では挨拶を交わしただけでしたが「きっとまたこの子に会える」と、運命的な何かを感じたルイスさんは連絡先も聞かなかったそうです。
やがて、ほどなく偶然の再会が何度もあり、自然と親しくなりました。お互いに事情を抱え、現状に疲れていたこともあり、意気投合し惹かれ合いやがて同棲生活が始まります。
「こんな素敵な人のためなら何だって犠牲にできる」と思うほど、彼女に夢中だったというルイスさん。
しかし次第に、前職の影響からか対人恐怖症になり、ルイスさんは無意識に引きこもりがちに。
「きっとこの頃から、少しずつうつ病が始まっていたのかもしれません」と振り返ります。
在宅で仕事を続ける中「生活に困らない程度の収入で十分」というルイスさんと「安定した職に就いて、子どもに良い暮らしをさせたい」と考える彼女との間に価値観のずれが生じていきました。
ルイスさんは「彼女は引きこもり気味の僕に少しずつ将来が見えなくなっていったのかもしれません」と話します。
そして別れが訪れました。
失意のなかで…うつ病と家族の支え
ルイスさんは恋人に別れを告げられ、深い絶望に陥りました。
「彼女の気持ちを取り戻せるなら何でもする」と泣きながら謝罪を続け「やり直そう、もっといい男になる、チャンスが欲しい」と何日も諦めず訴え続けましたが、涙を流しながらも彼女の決意は変わりませんでした。
やがて自室にこもり「なぜ大切にできなかったのか」と自分を責め続けます。
悲しみと孤独に押しつぶされ、食事ものどを通らず、体重は59kgから46kgまで落ちました。
ある夜、裸足で夜道をさまよい「生きている意味がない」と感じていたルイスさんは、最後に両親へ「さようなら」とメールを送りました。深く思い詰めていたルイスさんのもとに、両親、姉、妹、弟、祖母、そして叔父が駆けつけ、その場で全員が泣き崩れたといいます。
翌日、両親に付き添われて心療内科を受診した結果、重度のうつ病と診断され、1年以上にわたり薬の服用と週1回の通院が続きます。
実家に戻ったルイスさんを家族は献身的に支えました。薬を飲んでも涙が止まらず、夜中に悪夢で目覚めては両親を起こし、泣きながら話を聞いてもらう日々。
それでも彼女への未練は消えず「稼げる男になれば振り向いてくれるかもしれない」と考えるようになります。
この思いが仕事への意欲に転じ、アルバイトをしながら仕事の面接を重ねるうちに起業のチャンスにも恵まれました。
彼女のために始めた努力は、次第に支えてくれた家族と自分自身の為へと変わっていきます。
「それが、うつ病から少しずつ回復して行くきっかけだったのだと思います」とルイスさんは振り返ります。
ロングヘアが導いた新たなチャンス
彼女と別れたとき、食欲もなければ意欲もなく、当然髪を意識する暇もなくてどん底だったというルイスさん。そうした状況の中で、約2年後には自然と長髪になっていました。
そのロングヘアをTikTokに載せ始めたところ、ものすごい反響があったのです。
「髪きれい！こんなにロングヘアが似合う男性見たことない」「色気がすごい」など、たくさんの嬉しいコメントが寄せられました。さらに企業からモデルの依頼がくるなど、その反響の大きさに、ルイスさん自身も驚いたそうです。
ルイスさんは現在立ち上げた会社をやめて、今はTikTokライブを通していろいろな人に自分を知ってもらう活動をしています。それがきっかけで、モデルの仕事や案件の仕事をいただくことも。
今後はモデルの仕事も増やしたり、いろいろな人に影響力を与えられたりする力がほしいと話します。
それを通して同じ経験をした方を元気づけたり、家族の素晴らしさやうつ病との向き合い方を伝えたり、つらいことをどうやって乗り越えたかなどを、自分なりにサポートしていける活動もしていきたいといいます。
さまざまな経験を乗り越えてきたルイスさん。その経験で得た力を活かし、これからも多くの人の支えとなってほしいですね。