”足の付け根”に違和感を覚えた2児の父「抱っこのせいかな」→しかしその後、救急搬送され…「なんで自分なんだ」  その13年後の様子に迫る

”足の付け根”に違和感を覚えた2児の父「抱っこのせいかな」→しかしその後、救急搬送され…「なんで自分なんだ」  その13年後の様子に迫る

@ayaka.kimono110さんの旦那さんは、2013年5月、当時1歳半だった娘さんを抱っこ紐で連れて出かけた日の夕方、足の付け根に痛みを感じました。

そのときは病院を受診しても骨に異常は見つからず、原因も分かりませんでした。ところが同年11月、再び痛みが現れます。

その後、判明した病気と当時の闘病生活について話を聞きました。

29歳で「急性リンパ性白血病」と診断

2013年5月のゴールデンウイークに、娘さんを抱っこして出かけた後、足の付け根が痛くなった旦那さん。
「抱っこ紐で圧迫されたからかな?」と夫婦で話しながら様子を見ていましたが、連休中に普段とは違う強い痛みに襲われ、救急病院を受診しました。

検査では骨に異常がなく、痛み止めをもらって帰宅。しかし、次第に痛みが強くなり、夕方には40℃近い発熱がありました。救急車で搬送され、1週間入院することに。それでも、はっきりとした原因は分かりませんでした。

もともと持病としてクローン病があったため、その影響かもしれないと言われ、ステロイドの処方で痛みは落ち着いたそうです。

ところが、11月ごろから再び痛みが出始めます。

@ayaka.kimono110さんは「ステロイドで抑えられないほど病気が進行していたのかな…」と振り返りますが、当時はちょうど2人目の出産を控えていたこともあり、そこまで気にかける余裕はなかったとのこと。旦那さんも、体調を見ながら休み休み仕事に行くような状態でした。

その後、足の痛みや発熱は悪化。再び病院を受診したところ、がんセンターへの紹介状を渡されました。

そして2014年1月、がんセンターを受診。採血の結果、末梢血からがん細胞が見つかり、旦那さんは29歳で「急性リンパ性白血病」と診断されました。

治療中に生死の境をさまようことも

診断を受けたとき、@ayaka.kimono110さんは「治らないやつじゃん…」と感じました。一方、旦那さんは「やっぱりか」という思いが半分と、「なんで自分なんだ、なんで今なんだよ」という思いがあったといいます。

その後、治療がスタート。旦那さんの白血病は、急性リンパ性白血病の中でも抗がん剤が効きやすく、最初から移植を選択する必要はないタイプでした。

当時は、子どもの急性リンパ性白血病で高い効果が確認されていた治療法を、若い成人の患者にも応用する治験がありました。旦那さんは年齢や白血病の型が条件に合っていたため、その治験に基づいた治療を受けることになります。

寛解導入療法を1回、地固め療法を6回受け、診断から2年後まで外来で抗がん剤治療を続けました。通常よりも抗がん剤の量が多かったことに加え、持病のクローン病もあったため、治療中には小腸からの大出血を起こし、生死の境をさまよったこともありました。

それでも治療を乗り越え、ひとつの区切りとなる治療を終えてから5年間を無事に経過。現在は、がんセンターでの経過観察も終了したそうです。

旦那さん①(@ayaka.kimono110さんより提供)

家族の支えと、病気を理由に判断される悔しさ

旦那さんにとって特につらかったのは、自宅療養を含めて約2年間、治療のために仕事ができなかったことです。持病のクローン病もあり、体力が戻らず、「仕事がそもそもできるのか?」という不安も抱えていました。

そんな中で支えになったのが、2歳の娘さんと当時生まれたばかりだった息子さんでした。

「妻にも迷惑かけていたと思い、それを生きがいにやっていけたのかなと…」と振り返る旦那さん。一方で、仕事をしていなかった期間について面接で病気のことを話すと、体調や再発について聞かれることも多く、病気を理由に判断されることに悔しさを感じていました。

そんな旦那さんに、@ayaka.kimono110さんは「何回落とされても気にせず、何回でも面接受けにいきな!あなたは働けなかったことに正当な理由があるし、できることや得意なことに自信を持って!」と声をかけたそうです。

また、治療中は、抗がん剤の影響で見た目が変わった旦那さんを子どもたちが怖がったり、感染症対策が必要になったりする中で、病気について説明する機会も増えていったのだとか。

成長した子どもたちから「パパの病気って何だったんだっけ?」と聞かれることもあり、@ayaka.kimono110さんは、がん患者家族として伝えられることがあるのではないかと考えるようになったといいます。

そして、娘さんが中学生になるタイミングで、がん患者家族として活動していくことを決意しました。

がんに対するイメージを変えていきたい

@ayaka.kimono110さんは、がんについて「医療は日々進化していて、当時私が診断名を聞いたときのようなネガティブな印象の病気ではなくなってきています。治療をしながら完治を目指せることや、完治できなくても治療を続けながら長期生存を目指せる時代になってきています。でも、メディアなどでは、治療の末に亡くなってしまった方の話など、ネガティブな情報が多いように感じます」と明かしました。

病気をコントロールしながら、自分らしく生活できることや、できることがたくさんあることを知ってもらえる社会になってほしい。そんな思いを胸に、活動を続けています。

現在は、小中高生へのがん教育にも携わっている@ayaka.kimono110さん。
「私も学びながら関わっていきたい」と、これからの活動への思いを語ります。

そんな@ayaka.kimono110さんの目標は、「これからも子どもと共に学び、子どもの手が離れたら、夫と2人で元気に楽しい時間を過ごせるように、体を整えて過ごしていきたい」ということです。

がんに対して、まだまだネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。一方で、医療の進歩により、治療を続けながら長く生活する人もいます。家族の闘病を経験した@ayaka.kimono110さんの姿から、病気との向き合い方や周囲の支えについて考えるとともに、がんについて知ることの大切さを感じるエピソードでした。

この記事の写真一覧はこちら