「空手道を後進に伝えたい」という夢を叶えるため大学院に進んだ@cancerfighter.rjさんは、空手の研究に励みながら鍼灸師として働き、充実した日々を送っていました。
しかしある日、突然の倦怠感と吐き気に襲われ、緊急手術を受けることに。そのときは、これから長い闘病生活が始まるとは思ってもいませんでした。
病名を聞いたときは大きなショックを受けましたが、生きたいと思えた背景には、ある目標の存在がありました。その思いに迫ります。
順調だった日常を襲った突然の体調不良
仕事と大学院、空手道に励んでいた24歳の2020年の7月初旬、@cancerfighter.rjさんは頭痛と吐き気、体のだるさに気づきます。
「疲れかな…」と思いながら過ごしますが、症状は一向に改善せず、7月10日の朝から強い倦怠感に襲われ、嘔吐を繰り返すようになりました。
病院でCT検査を受けた結果、別の病院へ緊急搬送され、そのまま手術を受けることに。手術後のMRI検査で腫瘍が見つかりましたが、この時点では本人には伝えられていませんでした。
先に説明を受けていたご両親は、突然の出来事に大きな衝撃を受け、眠れない日が続いたそうです。

突然告げられた「脳腫瘍」という現実
ご両親から脳腫瘍であることを告げられたとき「なぜ自分が?これから先はどうなるの?」と、不安なことばかり考えるようになります。あまりのショックに受け入れられず、失神してしまうほどでした。
@cancerfighter.rjさんは検査結果を聞いてから、治療前に一時退院。しかし、突然目が開かなくなり、耳の聞こえも悪くなり、意識障害を引き起こすなどの病状が悪化。そこで、緊急入院となってしまったことに@cancerfighter.rjさんは強い不安を感じました。

入院後は手術に加え、抗がん剤治療や放射線治療を受けました。頭痛や脱毛といった症状もあり、体への負担を感じる日々。さらに、大好きな空手ができないことや大切な人たちに会えないことから「当たり前の日常が失われるのではないか」と不安が大きくなりました。
「もう一度試合に出たい」目標が生まれた瞬間
脳腫瘍と診断された当初は目標もなく、治療に向き合う日々が続いていました。そんな中、空手の舞台には戻れないと感じていた頃、家族や仲間、道場の方々からビデオメッセージが届きます。
それを見た瞬間、@cancerfighter.rjさんは体が震えるのを感じたといいます。

そこで「また道着を着て大好きな空手がしたい」「みんなにその姿を見せたい」という思いと「もう一度試合に出たい」ということが目標となり、大きな支えとなりました。

約1年半の闘病生活を経て、@cancerfighter.rjさんは退院しました。
現在は腫瘍の縮小が維持され、寛解状態にあり、主治医と相談しながら慎重に体調を管理し、定期的に検査を続けています。体力は落ちていますが、鍼灸師として働きながら、子どもたちに空手の指導も行っています。
そして、治療中に掲げていた「もう一度試合に出たい」という目標も叶えました。試合前は緊張すると思っていたものの、舞台に戻れた喜びや、多くの方々の応援に包まれ、気づけば緊張を忘れるほどだったといいます。

経験を力に、次は誰かを支える存在へ
@cancerfighter.rjさんは、今後挑戦したいことや目標が3つあります。
まず一つ目は、空手の組手の試合でもう一度優勝し、現在病気と闘っている方や、なかなか勇気を持って一歩を踏み出せない方々の力になりたいということです。

二つ目は、多くの学校を訪問して自分の経験を伝え、子どもたちに目標を持つことの大切さやチャレンジする勇気が大事だということを伝えていくこと。 そして闘病中に支えてもらった経験から、三つ目は鍼灸師として、次は「支える側」として痛みに寄り添いたいと考えているといいます。
特に「第二の患者さん」とも呼ばれるご家族の方々へ、身体的・精神的なケアを届けることが使命だと@cancerfighter.rjさんは話していました。

「今は不安で苦しくてつらい日々かもしれません。でも一歩ずつ前を向いて進んでいけば、きっと明るい未来は訪れると私は信じています」とメッセージを送ります。
充実した日々の中で発症した病気でしたが、@cancerfighter.rjさんは「もう一度、空手の試合に出る」という目標を支えに、治療と向き合ってきました。その後、実際に試合出場という目標を実現。こうした経験は、同じような状況にある人や、一歩を踏み出すことに迷いを感じている人にとって、きっかけになるかもしれません。

