海外から日本を訪れた人が感じる驚きは、街の規模や混雑だけでなく、人との距離感や接し方に向けられることもあります。
今回話を聞いたのは、オーストラリア・パース出身のケイレブさん。
日本に到着したのは前日の午後で、この日が実質的な滞在初日だといいます。
来日前に抱いていたのは「とにかく速い国」というイメージ
日本に来る前、日本での日常生活についてどんな印象を持っていたのかを聞くと、ケイレブさんはまず「スピード感」を挙げました。
「日本では、みんながすごく速いテンポで生活しているイメージがありました」
出身地のパースは、比較的ゆったりとした空気が流れる街。
そのため、日本は「止まることなく、常に動いている場所」のように感じていたそうです。
その印象を決定づけたのが、日本到着後すぐに利用した新宿駅でした。
「今まで見た中で、一番混んでいる駅でした。世界一忙しい駅ですよね?」
人の多さ、移動の速さ、情報量の多さ。広告も多く、「目立たなければ、誰にも見てもらえないんだろうな」と感じたといいます。
最初につまずいたのは、公共交通機関
出身国と比べて、日本で「違う」と感じたことについて尋ねると、まず挙がったのが公共交通機関でした。
「最初は本当に混乱しました」
スマートフォンにICカードを入れて使おうとしたものの、うまくいかず、結局は実物のカードを購入してチャージすることに。
「それだけで、ちょっとした寄り道ミッションみたいになりました」
便利だと聞いていた日本の交通システムも、慣れるまでは戸惑う場面がある。
ただし、「そのうち慣れると思います」と、前向きに受け止めていました。
特定の出来事ではなく、「すべてのやり取り」が印象に残った
「特に印象に残った瞬間はありますか?」と尋ねると、ケイレブさんは少し考えてから、こう答えました。
「特定の瞬間というより、ここに来てから感じること全体ですね」
それは、日本の人たちの接し方でした。
「日本の人は、本当にみんな親切だと思います」
自分たちの国ではない場所に来ているにもかかわらず、気を配って接してくれる。その姿勢が強く心に残ったといいます。
「これまで日本の方と接したすべてのやり取りが、とても特別に感じました。こんな敬意の持たれ方は、他ではなかなか経験できません」
ルールがあっても、温かく迎えてくれる
最後に、日本文化について感じたこと、日本の人たちに伝えたいことを聞くと、ケイレブさんは、少し踏み込んだ話をしてくれました。
「日本では、外国人が必ずしも礼儀正しいとは限りませんよね」
観光地ではルールが多く、場所によっては立ち入りが制限されていることもあります。
「京都では、観光が完全に禁止されているエリアもあると聞きました」それは、一部の観光客がマナーを守らなかったことが背景にあるのではないか、と感じているそうです。
それでも、日本の人たちの態度は変わらないといいます。
「それでも、日本の皆さんは本当に温かく迎えてくれます。そのことに、とても感謝しています。本当に心からそう思います」
速さの中にある、やさしさ
「速くて、忙しい国」というイメージを持って来日したケイレブさん。実際に目にしたのは、確かにスピード感のある日常でした。
しかし、その中で何より強く心に残ったのは、人と人との間にある、丁寧な気遣いや敬意だったのかもしれません。
外からの視点だからこそ見えてくる、日本の日常。
その一つひとつが、私たちにとっても、改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか。