おなかの痛みは、誰にでも起こりうる身近な不調のひとつです。
「いつものこと」「少し休めば治るはず」と考え、受診を後回しにした経験がある人も多いのではないでしょうか。
今回話を聞いたのは、27歳の学生の男性。
彼もまた、最初はよくある腹痛だと思っていた一人でした。
最初は「お酒の飲みすぎ」だと思っていた腹痛
腹痛を感じたのは、友人の家で宅飲みをした翌日のことだったといいます。
「前日に結構飲んでいたので、単純に飲みすぎて体調を崩しただけだと思っていました」
お酒を飲んだ翌日におなかの調子が悪くなることは、決して珍しいことではありません。
本人も、この時点では深刻な異変だとは感じていなかったそうです。
受診を迷った理由は「いつもの腹痛」との違いが分からなかったから
痛みがあっても、すぐに病院へ行こうとは思わなかった理由について、男性はこう振り返ります。
「もともとおなかがゆるい方なので、腹痛自体はよくありました。
お酒のせいなら、時間がたってアルコールが抜ければ治るだろうと思っていたんです」
これまでの経験から、様子を見ていれば大丈夫だと判断してしまったといいます。
突然悪化し、救急搬送。そこで告げられた本当の原因
しかし、その判断は後に大きく覆されることになります。
時間が経つにつれて腹痛は一気に悪化。
耐えられないほどの痛みになり、救急車を呼ぶ事態となりました。
病院に運ばれ、そのまま緊急手術。
医師からは、思いもよらない言葉を告げられたそうです。
「内臓で出血が起きている。すぐに対応しないと危険な状態だと言われました」
単なる飲みすぎだと思っていた腹痛の裏で、命に関わる異変が起きていたのです。
【専門家のコメント】腹痛が示す、見逃してはいけないサイン
この話について、Takushi clinic理事長の沢岻美奈子さんに話を聞きました。
お腹の痛みは軽く見られがちですが、若い方でも急に起きる「急性腹症」が命に関わることがあります。
これまで感じたことのない強い痛み、急に悪化する痛み、冷や汗・吐き気・発熱・顔色の悪さを伴う場合は要注意です。「少し様子を見よう」と我慢せず、早めに受診してください。
特に右下腹部の激痛や、じっとしていられないほどの痛みは救急受診を検討しましょう。いつもと違う腹痛は、体からの大切なサインです。
「少し変だな」と思ったら、早めの受診を
今回の経験を振り返り、男性は次のように話します。
「ちょっとした体調不良でも、実は大きな病気の前兆の可能性があると感じました。
普段と比べて変だと思うことがあれば、迷わず病院に行くべきだと思います」
腹痛はありふれた症状だからこそ、見過ごされやすいものです。
しかしその裏に、思わぬ異変が隠れていることもあります。
「いつものことだから」と自己判断せず、
普段と比べて少しでも違和感があれば、早めに医療機関を受診することが、
自分の体を守ることにつながるのかもしれません。
【監修者】沢岻美奈子 産婦人科専門医 Takushi clinic理事長
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。
