InstagramやTikTokで、人間関係や夫婦・パートナーシップ、会話の距離感をテーマに、漫画と文章を発信しているB.B軍曹(@b.bgunso/@b_bgunso)さん。
B.B軍曹さんの作品が一貫して扱っているのは、出来事そのものよりも、「その場で向けられた言葉」や「問いの形」が、人にどんな影響を与えるかという点です。
何気なく投げられた問いが、気づかないうちに人を追い込み、言葉を奪ってしまうことがある。
今回紹介する投稿は、そんな経験と、問いの向きが変わったことで初めて息がしやすくなった体験を描いています。
「なぜできないの?」が突きつけられる日々
投稿の舞台は、B.B軍曹さんが病院で勤務していた頃。
新入社員として働いていた時代、仕事がうまく進まない場面で、繰り返し投げかけられていた言葉がありました。
「どうしてできないの?」
責める意図があったわけではありません。
ただ、その問いを何度も向けられるうちに、B.B軍曹さんは少しずつ言葉を失っていきます。
理由はある。けれど、うまく整理して説明できない。
最終的に口から出てくるのは、「すみません」という言葉だけ。
説明できない自分が悪いのではないか。
そうした萎縮や怖さが、静かに積み重なっていきました。
答えを出せない自分が、取り残されていく感覚
数年後の描写では、締切を前に、パソコンの前で立ち尽くす姿が描かれます。
「なぜできないのかを正直に話すほど、言い訳だと思われそうで」
「怖くて、縮こまってしまう」
できない理由を問われるたび、“説明できない自分”だけが取り残されていくような感覚。
この投稿で描かれているのは、能力の優劣ではありません。
問いの形そのものが、人にどれほどの圧を与えるか、という点です。
夫が示した、問いの向きを変える言葉
そうした過去の経験を、B.B軍曹さんが夫に打ち明けたとき、返ってきたのは、これまでとはまったく違う言葉でした。
「なぜできないかじゃなくて、どうすればできるか、一緒に考えよう」
責めるでも、評価するでもない。“同じ側に立つ”ことを前提にした問いかけでした。
画像のラストでは、「問いの向きが変わるだけで、人はこんなにも動き出せる」
というメッセージが、強く印象づけられています。
答えを出せない時間にも、寄り添うということ
この投稿が伝えているのは、すぐに答えを出すことの重要性ではありません。
むしろ、答えが見つからない時間に、どう寄り添うか。
「WHY(なぜ)」で人を止めるのではなく、「HOW(どうやって)」で人の隣に立つ。
問いの向きを変えることが、人の尊厳や安心感を守る行為でもある。
B.B軍曹さんは、この投稿を通して、そうした視点を差し出しています。
このアカウントが描き続けているもの
B.B軍曹さんはSNSでの発信をもとに、これまでに『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭の 「人生満点じゃなくてもはなまるだ 編」「NGと書いてナイスガイと読む 編」「さては人生3周目だな 編」』3冊の書籍を刊行しています。
それらの作品に共通しているのは、強い言葉を使いながらも、誰かを裁かない姿勢です。
できなかった過去を責めるためではなく、次に同じ場面に立ったとき、
ほんの少し自分を守れる選択肢を思い出せるように。
この投稿は、「問いの持ち方ひとつで、人は救われることがある」その事実を、静かに差し出した一編でした。




