わずか612gで誕生し「生存率25%」と告げられた息子さんを、@tetu.momさんは毎日祈るように見守りながら育ててきました。
そんな息子さんが20歳という節目を迎えたのを機に、これまでの成長記録を振り返る動画を制作し、Instagramに投稿。多くの人から「生きる力ってすごい」「男前」「感動」「希望が持てました」などのコメントが寄せられました。
@tetu.momさんに、20年間の想いを聞きました。
妊娠23週目に突然の破水
初めての子どもを授かり、穏やかなマタニティライフを過ごしていた@tetu.momさん。
ところが、2005年6月、予定よりもずっと早い妊娠23週2日で突然破水。受け入れ先の病院がなかなか見つからず、不安の中で「出産を諦める」考えがよぎったこともあったそうです。
それでも、陣痛が来るまでの数日間に感じた胎動に「この子は生まれたいんだ」と気持ちが大きく動かされたといいます。

改めて受け入れてくれる病院を探した@tetu.momさんは、転院して出産。
出産時、息子さんは仮死状態で体重わずか612g。“生きる確率は25%”と告げられる深刻な状態でした。
今日も生きてくれますように
出産後、@tetu.momさんが息子さんと初めて対面したのは、保育器の中の小さな姿でした。
いくつものチューブにつながれていた息子さんを見て、驚きと不安でいっぱいになると同時に「お腹の中で育ててあげられなくて、ごめんね」という思いが沸き上がったそう。
それでも毎日「今日も生きていてくれますように」と祈り続けました。

早産児には多くのリスクが伴います。息子さんは生後1ヶ月で原因不明の排尿障害がありステロイド治療を受け、未熟児貧血による輸血も複数回経験。また、未熟児網膜症の懸念から定期的な眼底検査も欠かせませんでした。

その後、生後5ヶ月で保育器を卒業し、数々の困難を乗り越えて、生後8ヶ月でようやく退院を迎えました。
不安を乗り越えて出会った幸せや喜び
「障害が残るかもしれない」という不安を抱えながらも、退院後は発達や視力のフォローのため、小学校入学前まで大学病院に年2〜3回通院していました。
それでも、息子さんの成長を見守る日々には、大変さ以上に笑顔や感動、かけがえのない思い出が詰まっていたといいます。

1歳を過ぎてもハイハイができず「歩けるようになるのだろうか?」と不安な日々が続きました。1歳8ヶ月になったある日、一歩、二歩、三歩と歩いたときの感動は、今でも忘れられない瞬間なのだそう。

「あのとき、命を諦めていたら、これほど多くの幸せや喜びには出会えなかったと思います」と@tetu.momさんは振り返ります。
20歳を迎えた息子へ
今年、息子さんは20歳という節目を迎えました。
現在は遠方で一人暮らしをしており、@tetu.momさんも仕事の都合で一緒に祝えなかったことから「せめて心に残るメッセージを届けたい」と、これまでの成長を振り返る動画を制作しました。

動画をInstagramに投稿したのは、息子さんが生まれたばかりの頃、自身が“小さく生まれた赤ちゃんの成長記録”に励まされた経験があったからだそうです。
「あのとき希望をもらったように、今度は私が誰かの希望になれたら」
そんな思いを込めて、息子さんの物語をシェアすることにしました。

この20年間を振り返り、@tetu.momさんは「普通に生きていることが、どれほど奇跡的で決して当たり前ではないか」を改めて実感したといいます。

そして、20歳になった息子さんに、改めてエールを送ります。
「これまでの人生、本当に頑張ってくれてありがとう。無理に何者かになろうとしなくていいし、誰かと比べなくていい。今のままのあなたで、あなたらしく、元気に生きてくれたらそれだけで私は嬉しいです。これからも、あなたのペースで。つまずいても、立ち止まってもいい。どんなときも、あなたの味方でいるからね」
この世に生を受け、“生きていること”こそ、素敵な奇跡。1日1日を懸命に生きることの大切さに、改めて気づかされました。
