「退職資金は十分ある」と思っていたのに…60代女性が全財産を失い知った“過信”の怖さ

「退職資金は十分ある」と思っていたのに…60代女性が全財産を失い知った“過信”の怖さ

老後資金はしっかり準備してきた。
だから、これからは少し安心して暮らせるはずだった。

そう振り返るのは、60代の女性(自営)です。退職を決めた直後、思いがけない出来事が起きました。

「老後資金は十分」と思って退職

女性は60歳で退職。
長年かけて準備してきた貯金があり、退職後の生活資金としては十分だと考えていました。

「これでひと区切りついた、という気持ちでした」

インターネット詐欺のニュースも見聞きしており、危険性は理解していたといいます。ただ心のどこかで、「自分は大丈夫」という思いがあったそうです。

退職からわずか2週間後に発覚

退職後まもなく、インターネット上でのやりとりをきっかけに詐欺被害に遭っていたことが判明しました。

気づいたときには、退職後の生活を支えるはずだった貯金はすべて失われていました。

「え、わたし? これって戻ってこないんだよね」

現実を理解するまでに時間がかかったといいます。
それまで当たり前にあった“安心”が、一瞬で崩れた瞬間でした。

お金だけでなく、心も揺らいだ

当初は、自分は被害者なのだから周囲も助けてくれるだろうと思っていたといいます。

しかし、家族に打ち明ける中で、反応の温度差を感じるようになりました。

「私は厄介者で、恥ずかしい存在だと思われているのかもしれないと感じました」

一方で、友人は励ましの言葉をかけてくれたり、「自分もだまされそうになったことがある」と話してくれたりしたそうです。その存在に救われた部分もあったと振り返ります。

現在は再び仕事をしながら生活を立て直しています。

「自分はだまされない」という思い込み

振り返って感じるのは、「簡単に人を信用しないこと」の大切さだといいます。

「お金は一度出ていったら、簡単には戻ってきません。どんなに懇願されても渡さない、という姿勢が必要でした」

また、違和感を覚えた段階で誰かに相談することの重要性も強く感じています。

「途中で誰かに相談していれば、止めてもらえたかもしれません」

【専門家のコメント】老後資金と詐欺リスク、家計管理で意識したいポイント

退職金やまとまった資金が入るタイミングは、家計にとって大きな転機になります。
安心感が生まれる一方で、資産をどのように守るかを改めて考える時期でもあります。

いわゆる「老後資金2,000万円問題」が話題になったこともありますが、必要な金額は生活水準や年金受給額、健康状態によって大きく異なります。
大切なのは、「いくらあるか」だけでなく、「毎月いくら使う生活なのか」を把握することです。

また、退職直後は時間的な余裕や環境の変化から、心理的にも判断が揺らぎやすい時期といわれています。
詐欺は特別な人だけが被害に遭うものではなく、「自分は大丈夫」という気持ちがある人ほど狙われることもあります。

また、老後資金は一つの口座にまとめるのではなく、生活費用・予備資金など用途別に分けて管理することで、心理的なブレーキがかかりやすくなります。
投資や融資の話についても、仕組みを十分理解できないものには手を出さないという姿勢が、結果的に資産を守ることにつながります。

資産を増やすこと以上に、「減らさない仕組みをつくる」ことが、退職後の安心には重要といえるでしょう。

それでも「生きていれば何とかなる」

同じような立場の人にかける言葉は難しいとしながらも、女性はこう話します。

「だまされている最中なら、冷静になって誰かに相談してほしいです。だまされた後なら、とりあえず毎日生きていけば何とかなる、と伝えるかなと思います」

老後資金が十分にあるという安心感。
その裏側にあった「自分は大丈夫」という思い込み。

お金の問題は、金額だけではなく、判断や情報との向き合い方にも関わっているのかもしれません。
今回の体験は、資産を守るという視点について改めて考えるきっかけを与えてくれます。

【監修者】大貫宏一郎 株式会社ユーザーライフサイエンス会長
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。

※この記事はAI生成された画像を使用しています

この記事の写真一覧はこちら