お客様の優しさゆえの行動が、現場のスタッフにとっては思わぬ負担になってしまう……。接客業に携わる方なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、20代のフリーターで、以前落ち着いた雰囲気のイタリアンレストランで働いていた女性。
良かれと思ってお客様がしてくれた「お片付け」が、実は現場を困らせていたという、接客業のリアルな本音を語っていただきました。
「片付けやすいように」…お客様の笑顔と重なるお皿に絶望
女性がその日、ホールで接客をしていた時のこと。
あるテーブルのお客様が、食事が終わったタイミングで「片付けやすいようにまとめておいたよ」と、にこやかに声をかけてくれました。
テーブルを見ると、そこにはパスタやメイン料理のソースがまだ残っているお皿が数枚、きれいに重ねられて置かれていました。
さらにその一番上には、使用済みのナプキンやおしぼりのビニールゴミがまとめられていたのです。
「お客様の親切心は痛いほど伝わってくるのですが、重ねられた瞬間に、下のお皿の底がソースでベタベタになっていくのが見えて……。心の中で『止めて!』と叫びながら、少しだけ絶望的な気持ちになりました」
親切が裏目に?「お皿を重ねる」ことで増える意外な手間
お客様は100%の善意で、スタッフが一度に運びやすいようにと配慮してくれたはず。しかし、プロの視点から見ると、この行動は「二度手間」を増やす原因になってしまうのだそうです。
「本来なら、お皿を一枚ずつ下げれば底は汚れないので、食洗機前の予洗いが楽なんです。でも、重ねてしまうと底面までべったりソースがつくため、全枚数を表裏両面、入念に洗わなければならなくなります。
また、ナプキンがソースを吸ってお皿に張り付くと、剥がすのも一苦労なんです」
女性は、申し訳なさと複雑な心境を抱えながらも、お客様の素敵な笑顔を前に、精一杯の「ありがとうございます」を伝えたと言います。
プロの本音「何もしないでいてくれることが最高のおもてなし」
この経験を経て、女女性自身が客の立場になったときには、あることを徹底しているそうです。
「正直私も飲食店で働く前はやってしまっていた記憶があります。ただ、かえって仕事を増やしてしまう事に気づいてからは、お皿は絶対に重ねず、店員さんが手に取りやすい位置に少し寄せる程度に留めています。また、ゴミはお皿の上には置かず、ひとまとめにしてテーブルの脇に置くようにしています」
最後に、女性はその場では言えなかった「プロとしての本音」を教えてくれました。
「お客様に気を遣わせていること自体が私たちの力不足なのですが、本音を言えば、お皿はそのまま置いておいていただくのが一番助かります。ソースのついたお皿を重ねるのは、実は掃除の手間を倍増させてしまうので、何もしないでくださることが、私たちにとっては最高の気遣いだったりします」
相手を思う気持ちがすれ違ってしまうのは、少し切ないもの。
ですが、こうした「現場の声」を知ることで、お互いにとってより心地よい空間が作れるのかもしれません。
※この記事はAI生成された画像を使用しています
