毎シーズン来る「着る服がない」という感情。 その理由について専門家に聞いた

毎シーズン来る「着る服がない」という感情。 その理由について専門家に聞いた

毎朝の身支度で、
「着るものがない」と感じたことはありませんか。

30代・会社員の女性も、
服の量に困っていたわけではないのに、
同じ悩みを抱えていました。

服はあるのに、何を持っているのか分からなかった

気になっていたのは、
クローゼットの使いづらさでした。

ハンガーの種類はバラバラ。
奥に何が掛かっているのか分かりづらく、
毎朝、手前の服ばかり選んでしまう。

「服はそれほど多くないはずなのに、
なぜか“着るものがない”と感じていました」

原因は、
服の量ではなく、
把握しづらい収納の状態だったといいます。

全部出して、カテゴリーごとに並べると聞いて

転機になったのは、
クローゼットの整理方法を知ったときでした。

一度すべての服を出し、
トップス、ボトムス、アウターなど
カテゴリーごとに分けて並べ直す。

「そんな基本的なこと?」
と思いながらも、
試してみることにしました。

「何を持っているか」が一目で分かるようになった

並べ直してみると、
まず感じたのは見やすさでした。

どんな服を持っているのかが、
一目で分かる。

朝の服選びで迷う時間が減り、
支度が驚くほどスムーズになったそうです。

また、
すでに似た服を持っていることが分かるため、
同じような服を買ってしまうことも減りました。

「無駄な出費が減ったのも、
うれしい変化でした」

「片付けが苦手」だと思い込んでいただけだった

今振り返ると、
女性はこう話します。

「自分は片付けが苦手だから仕方ない、
と思い込んでいました」

でも実際は、
やり方を知らなかっただけ。

正しい方法を知ったことで、
片付けは思っていたよりも
ずっとシンプルになりました。

時間に余裕が生まれ、
気持ちにもゆとりが出てきたといいます。

【専門家の見解】「見える化」は、片付けを続けやすくする工夫のひとつ

そこで、株式会社ストレージ王で次長を務め、整理収納アドバイザーの資格を持つ坂上正洋さんに話を聞きました。

坂上さんによると、クローゼット収納で大切なのは、服の量を減らすことそのものよりも、「自分の使い方に合った配置」に整えることだといいます。

「よく着る服がすぐ手に取れる状態をつくることで、服選びにかかる時間が短くなり、日々の支度がぐっと楽になります」

そのために意識したいのが、クローゼットの中身を把握できるようにする“見える化”です。
何を持っているのかがひと目で分かるよう、衣装ケースやダンボールにラベリングをしたり、収納用品の種類をそろえたりすることで、「考えなくても分かる」状態をつくりやすくなるといいます。

また、トップス・ボトムス・羽織ものなど、アイテムごとに分けて収納する“カテゴリー分け”もポイントのひとつ。
探すときや戻すときの判断が減ることで、日常の動作がスムーズになるそうです。

さらに、帽子やマフラーといった小物類についても、「どこに戻すか」をあらかじめ決めておくことが大切だと坂上さん。
いわゆる“定位置管理”ができていると、片付けが自然と習慣になりやすいといいます。

「片付けが続かないのは、性格の問題ではなく、仕組みが整っていないケースがほとんどです」

例えば、ハンガーの数をあらかじめ決めておくなど、物の量と収納場所をセットで管理するだけでも、クローゼットは無理なく整った状態を保ちやすくなります。

また、限られた収納スペースを有効に使うためには、「今の暮らしに本当に必要なもの」だけをクローゼットに入れることも大切だそう。
シーズンオフの衣類や使用頻度の低いものは、自宅外の収納(トランクルームなど)を活用することで、空間に余白が生まれ、使いやすさが高まります。

坂上さんは、整理収納について「空間効率(スペパ)と時間効率(タイパ)を同時に高める工夫」だと話します。
収納を見直すことで、毎日の小さなストレスが減り、暮らし全体にゆとりが生まれるのだそうです。

「完璧を目指さなくても大丈夫。自分に合った仕組みを、ひとつずつ整えていくことが大切です」

無理のない工夫を積み重ねていくことで、片付けは自然と続くようになるといいます。

「やり方を知っているかどうか」で、感じ方は変わる

この話は、
誰にでも同じ方法が合う、
というものではありません。

ただ、
「片付けが苦手」と感じている理由が、
性格ではなく
やり方にある場合もあります。

この女性にとっては、
それが
「クローゼットの整理方法」でした。

もし今、
毎朝の服選びに
小さなストレスを感じているとしたら。

それは本当に、
服の量の問題なのでしょうか。

監修者: 株式会社ストレージ王 経営企画室 次長
坂上正洋(整理収納アドバイザー)
トランクルーム事業の経営企画に携わり、専門知識を暮らしの中で活かせる形に落とし込む記事監修を得意とする。

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