「犬が緑に変わるの初めて見た」白い犬の変わり果てた姿が話題に。それから2年、現在の様子を聞いた

「犬が緑に変わるの初めて見た」白い犬の変わり果てた姿が話題に。それから2年、現在の様子を聞いた

愛犬が無邪気に遊んで帰ってきたとき、その姿に驚きつつも思わず笑みがこぼれてしまった経験はありませんか。
2023年11月に紹介した、体中を植物の種で緑色に染めて帰宅した北海道犬のホタテくんのエピソードは、多くの読者に癒やしと笑顔を届けました。あれから約1年が経過した現在、ホタテくんと飼い主さんはどのような日々を過ごしているのでしょうか。
当時の反響を振り返るとともに、再取材で見えてきた「今」をお届けします。

全身くっつき虫で「迷彩服」に?SNSで反響を呼んだ微笑ましいお別れ会の記憶

事の発端は、「北海道犬ホタテくん」の飼い主さんが投稿した一枚の写真でした。
そこには、白い毛並みが見えないほど大量の「くっつき虫」をつけたホタテくんの姿が。

プライベートドッグランの草むらで遊び回った結果、まるで犬が緑色に変わってしまったかのような衝撃的なビジュアルになり、SNSでは「可愛い」「取るのが大変そう」と大きな話題になりました。
この日は、ホタテくんにとって一番の仲良しであるダリルくんとの大切なお別れ会の日でもありました。

ダリルくん家族がメキシコへ移住することになり、寂しさを抱えていた飼い主さんたちをよそに、二代目の北海道犬であるホタテくんとダリルくんは無邪気に駆け回っていました。
隣に並んだ黒毛のダリルくんも同様に緑の種をびっしりと付け、その姿はまるで「迷彩服」のよう。

6人がかりで笑いながら、ウェットティッシュを駆使して一粒ずつ取った時間は、飼い主さんにとって「わんちゃんを飼う醍醐味」を感じる、笑いと涙が混じった特別な思い出となったのです。

北海道犬の魅力を伝えたい。先代への思いとSNS発信に込めた願い

飼い主さんが苦手だったSNSを始めた背景には、深い愛情と切実な願いがありました。
かつて飼っていた先代の「ホタテ」くんを先天性の病で突然亡くし、虚無感の中にいたときに出会ったのが二代目のホタテくんでした。

日本犬の中でも圧倒的に頭数が少なく、絶滅の危機すら囁かれる北海道犬。
その存在を1人でも多くの人に知ってもらいたい、そして「少し大変そうだけど飼ってみたい」と思ってもらえるきっかけになればという思いが、発信の原動力になっています。

当時の取材に対し、飼い主さんは「北海道犬は生きる喜びを素直に表現してくれる」と語っていました。
車中泊をしながら自然豊かな山や川を旅するスタイルは、ホタテくんの喜ぶ顔が見たいという一心で続けられてきたものです。

野生味溢れる北海道犬が、自然の中で「くっつき虫」だらけになるほど全力で遊ぶ姿は、多くの人に犬と生きる時間の尊さを再認識させました。

再会を果たした親友との突然の別れ。今も帰りを待ち続ける切実な願い

見かけた方は070-2006-2227までご連絡ください。

あれから1年、現在の様子を伺うと、ホタテくんの身の回りには大きな変化がありました。
当時、メキシコへ行くはずだった親友のダリルくんですが、実はその後、移住の話が無くなり、二匹は離ればなれになることなく再び友情を深めていたのです。

しかし、平穏な日常に突然の悲劇が訪れます。
4ヶ月前、淡路島にあるダリルくんの自宅付近で雷が鳴り、音に驚いた怖がりのダリルくんが脱走。

そのまま行方不明になってしまったのです。
飼い主さんはホタテくんと一緒に何日も必死の捜索を続けましたが、いまだに発見には至っていません。

この秋もホタテくんは妹分のタナちゃんと一緒に、例年通り「くっつき虫」をたくさん付けて帰ってきましたが、その表情はどこか満足げではないといいます。

隣に並んで笑い合っていたはずのダリルくんがいない寂しさを、ホタテくんも感じているのかもしれません。
飼い主さんは「あんなに仲良しだった二匹に、こんな形での別れがくるなんて信じられない」と、今もダリルくんの帰りを待ち続けています。

雪の大地を駆け抜けた40日間の旅。絆を深める「冒険」という名の哲学

悲しい出来事に向き合いながらも、ホタテくんとの旅は続いています。
今年はホタテくんの生まれ故郷である冬の北海道へ、40日間にわたる車中泊の旅に出かけました。

雪が大好きな北海道犬にとって、白銀の世界は最高の舞台。
ホタテくんは真っ白な大地を得意げに駆け回り、故郷の素晴らしさを肌で感じているようでした。

飼い主さんは、こうした旅を単なるお出かけではなく、一つの「冒険」や「ミッション」と捉えています。

現在、飼い主さんはホタテくんとの旅をより快適にするため、自作でキャンピングカーの製作に取り組んでいます。
そこにあるのは、犬だけに負担を強いるのではなく、困難なことも「飼い主と一緒に乗り越える」という強い信念です。

共に苦労し、共に楽しむことで、愛犬との絆はよりいっそう深いものへと変わっていきます。
一つひとつの出来事を、ただの日常で終わらせない「特別な思い出」にするための挑戦が今も続いているのですね。

困難も喜びも共に乗り越えて。北海道犬と歩む未来へのメッセージ

「北海道犬って可愛いな、飼ってみたい」と思ってもらえるようにという願いは、今も揺らぐことはありません。
ホタテくんとの日々をSNSで発信し続けることは、救える命があるかもしれないという希望に繋がっています。

ダリルくんの行方不明という大きな試練の中にありますが、ホタテくんが見せる「デヘヘ」という笑い顔や、旅先で見せる凛々しい姿は、今も多くの人々に勇気を与えています。

最後に、読者の皆様へ。
犬との生活は、ときに今回のような予期せぬ困難や、くっつき虫を取るような手間がかかることもあります。

しかし、それを「醍醐味」として楽しみ、同じ目線で冒険を続けることでしか得られない宝物があります。
ホタテくんの旅はこれからも続きます。

いつかまた、親友のダリルくんと一緒に「くっつき虫」を付けて笑い合える日が来ることを信じて、ホタテくん一家は一歩ずつ前へ進んでいきます。
今後も、ホタテくんがキャンピングカーで全国を旅する様子や、北海道犬の魅力を伝える活動に注目していきたいと思います。

提供元:@hotatenootouさん(Instagram)

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