子育てをしていると、予想していなかったトラブルが起きたり、一人ではどうすることもできない状況になったりしまうことがあります。そんなピンチの切り抜け方とは…

今回は「ワンオペで電車に乗ったときに助けてもらった話」です。

ワンオペで3人の子どもを連れて

メグミ(仮名)さんは春休みの平日に子ども3人(長男6歳、長女5歳、次女3歳)を連れて電車に乗っていました。次男を妊娠し実家に帰省するためです。ベビーカーにはたくさんの荷物を乗せ、子どもたちを座席に座らせていました。長男と長女はシール貼りをしたり、景色をみたりして楽しく過ごしています。朝早く出発したこともあり、3歳の次女は座席に座ったまま眠ってしまいました。

しばらくして乗り換えの駅が近づいてきたので、メグミさんは降車の準備を始めました。まずは次女を起こします。ベビーカーには荷物が積んであり、座るスペースがないので起きて歩いてもらうしかありません。
しかし何度起こしても目が覚めない次女。次は、長男長女に靴を履かせようとします。しかし妊娠中のため、車内でしゃがむ姿勢もつらくなってしまいました。
次第に、降りる予定の駅が迫ってきてメグミさんは焦りを感じ始めます。

助けてくれたご夫婦(イラスト:23ca)

メグミさんの焦りが高まっていたそのときです。
向かいに座っていた60代くらいの夫婦が「大丈夫?降りるんでしょ?」と声をかけてくれたのです。
奥さんが長男と長女に靴を履かせてくれて「私たちも次の駅で降りるから。お兄ちゃんたち見ててあげるから、妹さんを抱っこしてあげてね。ベビーカーは主人が押して降りてあげるから」と言って、降車を手伝ってくれたのです。

こちらをじっと見るご夫婦…

メグミさんにそのときの話を聞きました。

ー助けてもらったとき、ご夫婦に対してどう思いましたか?
実は、最初じっとこちらを見ているそのご夫婦に対して、子どもたちがうるさくして怒っているのかなと警戒していました。以前にベビーカーを邪魔そうに睨まれたり、子どもたちを疎ましそうに見られたりする嫌な経験があったからです。しかしその方々はとても親切なご夫婦で、ただただ感謝の気持ちばかりでした。

ー子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
長時間の公共交通機関での移動となると、子どもが退屈してぐずってしまうので、黙って遊べる本や飴、グミなどを持ち歩くようにしています。
それでも退屈してしまうときは、無音でも見れるYouTubeのアニメを見せるのですが、通信料もかかりますし長時間見せることは避けたいので、子どもたちを飽きさせないようにすることに苦労します。

今は助けてもらう側、いつかは助ける側に

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
車内でぐずっている子がいても寛大な心を持てるようになりました。
夫や母とも、あのときのご夫婦と同じように、困っている人を助られるようになりたいねと話しています。

ーお子さんと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
電車内でぐずってしまったら、目が合ったときなど穏やかな表情をしてもらえるだけで少し気が楽になります。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
みんな同じような経験をしていると思うので怖がらず、素直にご好意に甘えていいと思います。
いつか子育てが落ち着いたときに自分も助けてあげられるようにしたいです。

お子さんを連れていて嫌な思いや困った経験をすると、その不安からお出かけが億劫になることも。
しかし、誰かに助けてもらう経験があってこそ、手を差し伸べることができるようになるのかもしれません。ご夫婦の優しさに助けられたメグミさん一家。お別れする際、お子さんたちからもご夫婦へ「ありがとう」と感謝を伝えたとのこと。今回の出来事はお子さんたちにとっても、温かい思い出になったことでしょう。

普段と違う環境はお子さんにたくさんの刺激を与え、成長のきっかけになります。ぜひ、かまえることなく気軽にお子さんと外の世界を楽しんでみましょう。そして、もしピンチになったり、助けてもらったりすることがあったら、いい経験ができたと前向きに捉えてみてください。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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