義足をつけて陸上競技をしたり、義手をつけて楽器を演奏したりと、何らかの理由で手足を失った人にさまざまな可能性を生み出す義肢。

Lisa13義手ギタリスト/one handed guitar player(@lisajpoole13)さんは、生まれつき右手がありません。現在義手ギタリストとして活動するLisa13さん。小学校6年生からギターを始めたというLisa13さんは、これまでさまざまなステージに立ったり、作詞作曲活動をするなど精力的に音楽活動に取り組んできました。

InstagramではそんなLisa13さんの活動を見ることができます。
今回は、Lisa13さんに自身の音楽活動について話を聞きました。

義手ギタリストになるまで

ーギターを始めようと思ったきっかけを教えてください。
祖父はハワイアンバンドでギターとスチールギターを担当、母は音楽学校出身、父は趣味でサックスと、小さい頃から音楽が生活の一部でした。楽器はピアノから始めましたが、母が持っていた布袋寅泰さんとXJAPANのhideさんのCDを見つけて、 彼らの華やかさに惹かれました。そして、自分も彼らのようになりたいと思ったことがきっかけです。

ー「ギターを弾くためのピック装具(義手)を父と製作」とありましたが、義手にはどのようなこだわりがありますか?
ピックをつける角度、ゴテゴテしないクールなデザイン、ライブで激しく動いて弾いても壊れない丈夫な設計です。詳しくは“企業秘密”的な感じで公開はしておりません。

ー製作について困難だったことはありますか?
当時は義手、ましてギターを弾くための義手となるとネットでの情報がほぼなかったので、完全にゼロからの製作でした。家族でホームセンターに行き、使えそうな材料を探して試行錯誤を繰り返しました。

義手ギタリスト(@lisajpoole13さんより提供)

ーギターを始めてから何か気持ちの変化などはありましたか?
ギターを始める前、私はファッションと絵を描くことが好きで、その延長に「ギターをやってみたい」という気持ちがあるライトな感じでした。
最初から「右手がないから楽器ができない」といったことが自分の中にはなかったので、障がいの有無を自分の問題にして「ギターを始めたから毎日が明るくなった」というようなことはありません。しかし、手作りの義手ピックで初めてギターを鳴らしたときのわくわく感は、自分だけの宝物だと思います。

これまでの活動とこれから

義手ギタリスト(@lisajpoole13さんより提供)

ーご自身の活動の中で自分にしかない強みはどこにあると感じますか?
音楽面では、家族や憧れのアーティストが聴いてきたものを小さい頃から今まで片っ端から聴いて吸収してきた音楽の幅と、詰め込みすぎない音と言葉。
トータルでみた自分にしかない強みは、それこそLisa13であるということ。つまり自分自身です。

ー今まで活動してきた中で、印象深いステージやお仕事はありますか?
パラリンピックでの演奏や大きな舞台に立ったこと、復興支援楽曲制作、企業様のCMやコンテンツに参加させていただいたことはどれも印象深いです。
今までやってきたイベント、ライブもすべて尊いものです。ギターを始めて最初に作ったバンド(Moth in Lilac)での韓国ライブが大盛況で、活動していくうちに国内でも海外でもリスナーが増えていったことはとても嬉しくてありがたく、強く記憶に残っています。

ライブでの様子(@lisajpoole13さんより提供)

ー今年、個人レーベルL1315Recordsを設立されていますが、どういった思いで設立されたのでしょうか?
今までバンドをメインに活動してきましたが、それだけに縛られず新しいものに期待ができる改革のようなコンテンツ創りや表現と発信をしていきたいと思い、L1315Recordsを立ち上げました。

ーL1315Recordsでは今後どういった音楽を届けていきたいですか?また、ご自身でチャレンジしたいことや目標を教えてください。
言葉や音は詰め込みすぎなくても自分の「好き」はたくさん詰め込んだ楽曲に、聴き手のその時その時のシチュエーションや気分で自由に解釈をしてもらえる楽曲が好きで、バンド時代からずっと作ってきているので、今まで通りブレることなく貫いていきたいです。

今後も自身の「好き」をたくさん詰め込んだ曲をたくさんの人に届けていってほしいです。Lisa13さんのこれからの活動も楽しみですね。

この記事の写真一覧はこちら