人の人生は、ちょっとしたことがきっかけで輝きが変わるのかもしれない。

かつては、ごく一般的な専業主婦だった齊藤麻美子さんは埼玉県和光市に家族とともにアパートメントハウスに住んでいる。現在、彼女が手がけている仕事は多彩で出張でピアノ、鍵盤ハーモニカ、ウクレレを教え、同じく出張にて、アロマセラピストとしてボディケア、出張3色パステルアートと5つのワークをこなしている。主に、基軸となるのは出張ピアノ講師で、日々、車や自転車で生徒の自宅に出向き、レッスンをしている。(2010年5月からは富士見市の齊藤さんの実家でもレッスンを開始)

基軸となるのは出張ピアノ講師(提供)

そもそも結婚した当時は、主婦だったものの、出産したことを契機に生活を支えるために子どもを保育園に預けパートに出るようになったという。近所のプラスチック工場や、データ入力などパートタイマーを転々としながら仕事をしてきた。
しかし、職場の人間関係に悩むことになり、精神的なダメージは体にも影響を及ぼし、次第に体調を崩すようになった。そんな時、友人に悩みを相談をすると友人からは、「ピアノを教えたらいいんじゃないの?」とアドバイスされたという。

もともと、6歳からピアノをはじめて音楽大学出身だった齊藤さんは予想外のアドバイスに、「募集して生徒は集まるのかな?場所はどうしたらいいのかな?」と疑心暗鬼した。すると、友人は「生徒さんのお宅に出張したらいいんじゃないの?」と冷静にアドバイスをしてきたという。

善は急げと言わんばかりに、早速mixiやブログで募集をかけたところ、即座に反応がきたそう。幸先の良いスタートをきった。同市内から、2名が申し込みがあったという。さっそく、生徒の自宅に出張してピアノを教えた。現在も変わらず、主に生徒の自宅に車や自転車で出向き、現地で生徒のピアノを利用しながら、レッスンを行っている。はじめた当初は、2名からのスタートだったが、現在は子供から大人まで男女あわせて15名の生徒を抱えるまでに成長。続けて、鍵盤ハーモニカやウクレレも学び、生徒にレッスンをしているという。出張エリアは埼玉県内を中心に、東京都内まで出向いている。また、地元の演奏会や都内のライブイベントにも出演して、精力的に活躍の場を広げている。

齊藤さんはピアノのレッスンからスタートし、鍵盤ハーモニカやウクレレも学び、生徒にレッスンしている(提供)

齊藤さんはピアノのレッスンからスタートし、鍵盤ハーモニカやウクレレも学び、生徒にレッスンしている(提供)

数年前から人を癒すことにも着目して興味を持った3色パステルアートと、アロマテラピーをスクールで学び、それぞれ資格を取得。アロマテラピーも上半身のケアを中心に出張で行っている。パステルアートはイベントに出店して、ワークショップで来場者にパステルアートを描いてもらうなど興味を持ってもらうことを主眼に置きながら、間口を広げていきたいと考えている。

3色パステルアート(提供)

「いま健康も含めて心が元気じゃない人が多い気がします。心が元気になってほしいから、ピアノ以外にもパステルアートやアロマテラピーもやるようになりました」と齊藤さん。
音楽とアロマやパステルアートは関連性がなさそうだが、共通のキーワードは、その人を元気にしてあげたい、元気になってほしい、というシンプルな想いから立ち上げたという。「ピアノもハードルが高いと思われがちですが、純粋に音を楽しんでほしい。長く続けてもらうために、高いハードルを感じるのではなく、その人がどうしたら、音を楽しめるか、まずそこに焦点を当てています。なので、生徒さんがどうしていきたいか、意向を聞き、生徒さんの意見を尊重してレッスンを進行しています」と真剣な眼差しで話す。

アロマテラピーをスクールで学び、資格を取得。上半身のケアを中心に出張で行っている。(提供)

アロマテラピーをスクールで学び、資格を取得。上半身のケアを中心に出張で行っている。(提供)

主婦から現在のワークスタイルになって、「人との出会いの幅が格段に広がりましたし、仕事の稼働日を自由に決められ、休みを自由に設定できます。ピアノなど音楽のレッスンを通して、生徒さんの成長を見守ることができて嬉しい。地道にコツコツやることで今後、口コミで広がってくるのかなと思います」と期待を寄せいてる。
もともと持っていた音楽の知識、スキルをいかし、転身を図った齋藤さんは、終始目をキラキラさせながら過去を振り返りながら話してくれた。齊藤さんのこれからの演奏会やイベント出店、出張ピアノレッスンなどハードワークをこなす日々を続けていく彼女をこれからも応援したい。

5つのワークをこなしている(提供)

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