もうすぐ母の日。母の日は、お母さんへの思いを伝えたりプレゼントを贈ったりする日。日頃の感謝を伝えられる大事な日ですね。

お母さんとは一緒にいる時間が長いからこそ、普段はなかなか伝えらえない言葉もあるかもしれません。

今回紹介するのは「生活苦のなかで贈った母の日のプレゼント」についてのエピソードです。

イラスト:23ca

母娘2人の苦しい生活のなかで…

ユミ(仮名)さんが18歳のときのことです。元々は裕福な家庭で育ったユミでしたが、お父さんが事業に失敗し、両親が離婚することに。ユミさんはお母さんと一緒に遠い土地へ引っ越すことになりました。

その頃はとにかく生活が苦しく、ユミさんはバイトの掛け持ちをして学費を工面していたほど。

そんなある日、ユミさんは鏡に向かって白髪を抜いているお母さんの姿を見かけました。抜くだけでは絶対に隠せないほどの量の白髪。それでもお母さんは気にしている様子で、一生懸命に白髪を抜いていました。

そこでユミさんは、母の日に肌に塗るクリームと白髪染めを買い、お母さんの髪の毛を染めてあげることに。

綺麗に茶色く染まると、お母さんは髪の毛を見て号泣しました。元々はおしゃれに気をつかっていたお母さん。離婚してからはずっと我慢していたようです。ユミさんは、そのときに「あなたを産んでよかった。こんなに幸せにしてくれる子はいない」と言ってもらったのが今でも印象に残っているそうです。

「生活苦のなかで贈った母の日のプレゼント②」イラスト:23ca

嬉しかったお母さんの言葉

ーそのエピソードが起きたとき、あなたはどのように感じましたか?
当時は母娘で必死に働いていても裕福にはなれず「産まれなきゃよかった」と母に言ってしまったことがありました。きっと、母はそのときのことを覚えていたのだと思います。だから、私に対して産んでよかったとアンサーをくれたのでしょう。母にひどいことを言ってしまったことをすごく後悔しましたし、喜んでもらえたことが震えるほど嬉しかったです。

ーそのエピソード後、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
毎月バイトのお給料日に、母の髪の毛を染めるようになりました。市販の染め粉なら安いし、お化粧品も少しずつ安い物が出始めていた時期だったので、毎月1つずつ買い足しました。やはり女なので、身の回りを整えることですごく気持ちが上がったと思います。母との喧嘩も減りましたし、いろいろなことを話し合えるようになりました。

お母さんにとって、ユミさんの存在がとても心強かったことでしょう。母の日は、お母さんに日頃の思いを伝えられる日でもありますね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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