冬の風物詩「サル団子」 そこにはサル社会の厳しいルールがあった!?

サルたちが身を寄せ合って暖をとる「サル団子」
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サルたちが身を寄せ合って暖をとる「サル団子」
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香川県土庄町にある「小豆島銚子渓自然動物園お猿の国」。野生のサルを餌付けしているこの施設では、寒い時期になるとサル同士が体を寄せ合って暖をとる「サル団子」が見られ、「かわいい」「ほっこりする」と来園者の目を楽しませています。
このサル団子、冬ならいつでも見られるわけではありません。気温が10度に満たない寒い日で、かつ、太陽の出ていない曇りのときや風が強いときに大きな団子になりやすいそうです。そのほか、サル団子が出来上がるまでにはいくつかルールがあるとか。管理担当の加治さんに話を聞きました。
「サルの群れは、ボスを頂点とした完全な縦社会。だから、団子の中心には必ずボスの団十郎がいます。その近くに、力の強いメスや、オスのNo.2やNo.3が集まっています。団子の外側にいくほど上下関係でいうと下の方の子になっていくんです」
ボスの団十郎がいる場所にサルたちが集まってきて団子を作ったり、小さな団子ができているところへ団十郎が割って入っていくなどして、最終的には力の強いサルたちを中心にした大きな団子ができるという仕組み。そのサルたちの体の寄せ合い方を見ても、関係性がわかるそうです。
「サル同士でも仲がいい相手と悪い相手がいます。サル団子のなかでも仲がいいサル同士はお腹を向けあってくっついていますが、仲が悪いサルだと背中同士をくっつけるんですよ。本当は嫌いな相手にはくっつきたくないけど、寒いから背に腹は代えられないってことですね。上位のサルに場所を譲らなかったりすると、ケンカになって団子から追い出されたりもします」
50頭もの大きなサル団子のほかにも、あちこちに数頭から10頭前後の小さなサル団子ができています。親子やきょうだいなど、仲のいいサル同士が体を寄せ合って暖をとっています。
「大きい団子に入れない子たちが仲のいいサル同士でくっついて、10頭くらいの団子になったりしています。エサを食べ終わったらすぐ団子になるサルもいれば、最後まで残ったエサを食べ続ける子もいて、サルの個性も本当にいろいろ。サル同士の関係性も少しずつ変わっていったりして、毎日見ていてとても面白いですね」
サル団子が見られるのはだいたい3月中旬頃まで。身を寄せ合って温め合う姿にほっこりするだけでなく、サル同士の関係性も観察してみるのも面白いかもしれません。