四国内約540店舗のファミリーマートで、7月26日から焼きたてピザの販売がスタート。ファミチキピザという商品名の通り、3種類あるピザのうち2種類には、ファミリーマートの一番人気商品であるファミチキがトッピングされています。そしてもう1つの大きな特徴は、注文を受けてから専用のオーブンで焼き、約4分で焼きたてアツアツを提供すること。なぜ焼きたてピザの販売を、なぜ四国限定で始めたのか。その裏側を開発担当者に聞きました。

取材に応じてくれた、商品本部 FF・スイーツ部 カフェ・スチーマーグループの鍵浦信(かぎうらまこと)さん

―なぜピザの販売を?
ピザの市場は約3000億といわれていて、コロナ禍でさらに伸びている今、ファミリーマートとしてもそこに取り組んでいきたいと思っています。また、7月12日から四国限定で、サンドイッチや惣菜パンなどをアツアツの状態で提供する「ファミマの焼きたてキッチン」を展開しています。そのため各店舗に専用のオーブンを設置しており、このオーブンをピザの焼成にも使用しています。

―注文を受けてから焼くスタイルにした理由は?
異なる種類の2つの「ロス」をなくすという目的があります。まず1つ目は、廃棄ロス。棚に陳列されているものを選ぶという通常の販売スタイルでは、売れ残りによる廃棄ロスが発生します。ですが、今回のファミチキピザはお客様が注文してから焼成するので、用意していたのに売れ残って廃棄するということがありません。2つ目のロスは、「機会ロス」です。これは、お客様が買おうと思って来店されたのに商品が品切れなどで購入できない、つまり店からすると販売の機会を失うということ。その2つのロスをなくし、コンビニのカウンターフードの新しい提供の仕方を考えた結果生まれたのが今回の販売スタイルです。

照りマヨピザ1,200円(税込み)。ファミチキと相性抜群のテリマヨソースをトッピング

―なぜ四国限定に?
今後他エリアへの展開も考えていますが、なぜ最初に四国というエリアを選んだかというと、競合が少ないというのが理由です。四国には宅配ピザチェーンの店舗が少なく、配達エリアに入っていない地域も多いため、24時間販売可能なコンビニに需要があるのではと考えました。

―ピザのこだわりを教えてください
もっとも大きな特徴はファミチキがトッピングされている点で、そこが一番の差別化のポイントだと思っています。3種類あるうちの3つすべてにファミチキを乗せる案も出たのですが、価格帯に幅を持たせたいという販売店からの意見もあって2つだけにしました。ファミチキを使っていないピザを1種、そしてファミチキを使ったものでも、具材の種類やソースを変えて価格の違う2種類をご用意しました。ピザ生地も「中はもちっ、外はパリッ」とした食感にこだわって開発したオリジナルです。

マルゲリータピザ980円(税込み)。甘みとコクのある特製トマトソースが味の決め手

―先行して実験販売もしたそうですね
松山市内の3店舗で実施しました。私たちは当初ファミリー層の需要を想定していたので週末を中心に売れると思っていましたが、実際は平日の夕方や深夜にも売れる日があったことや、まとめ買いしていくお客様もいらっしゃるなど、新たな需要に気づかされる結果となりました。

ファミチキの袋をイメージした専用の箱に入れて提供

―最後に、ファミチキピザ販売への期待は
今までのコンビニにはなかったホールの焼きたてピザというものを、決して高くなりすぎない価格で提供するという今回の試み。ファストフード店と同じようにお客様が注文をしてから作るという形を、まずは四国のなかで一般的な買い方にしていき、新たなコンビニの利用シーンの創出につなげていきたいですね。

ファミチキピザは、レジでスタッフに直接注文するほか、店内に設置しているオーダーカードを渡すことでも注文可能。人気商品のファミチキが乗ったピザ、ぜひ一度食べてみたいものです。

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