もし宇宙空間を走る列車があったら…などと空想したことはありますか。SFアニメや漫画などで見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。列車の窓から見える景色はもちろん、天井や床、つり革広告まで全て星空のようになっている列車の画像がツイートされ、1万を超えるいいねがつくなど話題になっています。タイトルは「彗星列車.」。コメントでは、「まるで銀河鉄道の世界観そのものですね」「カムパネルラ、一緒にどこまでも行こう」「列車内のポスターまで手が込んでらっしゃる」などと、童話や漫画を連想する人が多いようでした。この画像を制作したクリエイターの霧月傑さん(@kiri__tsuki)に話を聞きました。

この「彗星列車.」という作品ですが、童話やSFアニメから着想を得たものではないそうです。普段から星空をモチーフとした作品を制作している霧月傑さんは、日常生活の中で常に作品のヒントになるモノを探しています。今回は、電車に乗っている時にふと「星空が窓から見えたら素敵だな」と考え、制作したそうです。

―どのように制作しているのでしょうか。
この彗星列車の場合は、まずはベースとなる電車の写真を撮影します。その後、アプリを使用し全体を夜の雰囲気にして、その後また別のアプリで星空の絵を描いていきます。今回は床のタイルが大変でした。また電車内のポスターにも自分の作品を合成しています。絵を描いた後は、再び色味調整の加工をしています。これでようやく完成です。
よく、何日もかけているのか聞かれますが、意外と時間はかかりません。今回の作品は3~4時間だったと思います。

『月の傘.』(霧月傑さん提供)

―制作時間は短くても、当然、難しい部分はありますよね。
どの部分を星空にするのか、どこに絵を描くのか、どうすればより写真のような仕上がりになるのか考えています。作成終盤で「やっぱり違う」と考え、作品を全て消してしまうこともあります。また一から作るのは心が折れそうになりますね。

『夏の魔法にかけられて.』(霧月傑さん提供)

「彗星列車.」をはじめ、霧月傑さんの制作した作品はどれも物語の中の世界のようです。

―作品はどんな世界を表現しているのでしょうか。
自分の「好き」を純粋に表現しています。小さい頃から星空や天体が好きだったので、なんとなくそれに近い作品にはなっちゃいますね。作品の制作を決める時に考える事は、とにかく自分が行きたい世界を作りたいと考えています。こんな世界あったらいいな、こんな世界に行きたいなって考えるのは楽しいです。

『とても綺麗な薔薇の花.』(霧月傑さん提供)

―今後やってみたいことや目指していることは何ですか。
周りに影響されず、自分の「好き」を表現して行きたいです。「星空と星座が観察できる水族館.」という作品はどこかの水族館とコラボして実現したいですね。

水族館が見渡す限りの星空だったらとてもロマンチックですね。現実の世界で霧月傑さんの作品の世界を、ぜひ体験してみたいものです。

『星空と星座が観察できる水族館.』1枚目(霧月傑さん提供)

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