「パッションを感じることに飛び込みつづけたら、自分に合う場所がわかってきましたね」
そう語るのは「彫刻リンパセラピスト」として活躍する野田ゆいかさん。彫刻リンパとはオールハンドで体の歪みや骨盤を整え、彫刻のようにメリハリあるボディラインを目指し最高の心身に導く施術なのだそう。
野田さんは大手化粧品メーカー勤務から地下アイドル、銀座の高級クラブのホステスを経て、現在に至る。また、アフガニスタン人との結婚について電子書籍を出版するなど、幅広く活動する彼女に自身の生き方や考え方を聞いた。

自分が自分でないと思えた

彫刻リンパの施術をする野田さん

野田さんは地元九州の専門学校を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。九州で売上一位を誇る店舗で、美容部員として働いた。

「元から人の気持ちを察しやすい性格でした。それに加えてマニュアルに沿った応対や、周囲の顔色をうかがって仕事をするうちに、本当の自分がわからなくなってしまって。どんどん自分が自分でないように思えてきましたね」

環境を変えれば、何か変わるかもしれないと考えた野田さんは、アイドルになることを思いつく。

中学校まで習ったダンスが大好きだった野田さん。仕事で悩んだときは、韓国の「少女時代」の歌やダンスに励まされてきた。

「アイドルになれば、自分を取り戻せるはずだとパッションを感じました」

誰にも相談せずに福岡の地下アイドルのオーディションを受け、見事合格。会社に退職を申し出て、野田さんは23歳でグループ最年長のアイドルとなった。

アイドル時代、師匠との出会い

ところがアイドルになっても、本当の自分はわからなかった。

「アイドルは個性を出すことが大事。でも周りに合わせてきた私には、自分の個性がわからなかったんです」

「最年長」の個性しか見つからず、「結局、自分って何なのだろう」と悩む日々が続いた。

その様子を見かねたアイドルグループのプロデューサーが、野田さんにある人を紹介する。今でも野田さんが「師匠」と慕う人だ。

「こんな大人がいるのかって思いましたね(笑)発言も服装も、いつでも自分のしたいようにしていて。ありのままで楽しそうに働いているだけで、周囲からも慕われている。『大人はこうあるべき』と私が常識だと思っていたことを、師匠が壊してくれましたね」

師匠のように自分を貫いてアイドル活動するには、どうしたらよいのだろうか。野田さんはアイドルを目指したきっかけを考え直すと、韓国の「少女時代」が思い浮かんだ。

「『そうだ、私は周りのようにかわいらしいアイドルじゃなくて、少女時代みたいなクールなアイドルになりたかったんだ!』と気付きましたね」

そこで、後輩から「かっこいいお姉さん」と思われる存在になろうと野田さんは決意。すると徐々に、自分なりのスタイルでアイドル活動ができるようになっていった。

ありのままで生きる大切さを学んだ野田さんは、さらに他の人の生き方を知って、視野を広げていきたいと考えるようになる。

銀座のホステスならそれが叶いやすいかもしれない。あらゆる人との出会いに新たなパッションを感じた野田さんはアイドルを辞め、27歳で上京する。

自分を大切にする仕事

ホステスとなった野田さんはさまざまな職業の人や価値観の人を接客し、多様な生き方や考え方を知ることができた。しかし、夜遅くまで働くホステスの仕事は体力的に厳しかった。充実していたものの、長くは続けられない仕事だと感じるようになっていく。

ちょうどその頃参加した異業種交流会で、野田さんは彫刻リンパセラピストと出会う。

彫刻リンパの講師の先生たちと

「その方の施術を受けたとき、体内から自分と向き合えた感じがして。こうやって、自分を大切にする時間を提供する仕事をしたいなと思いました」

彫刻リンパに新たなパッションを感じた野田さんは、夜はホステスとして働きながら、昼間に彫刻リンパについて学んでいった。施術資格を取得すると、ホステスを辞めて彫刻リンパセラピストとして独立。

「プライベートな空間なので、施術以外のお悩み相談を受けることもあります。肩書きや会社のマニュアルではなく、私個人を頼ってくださることに喜びを感じますね」

野田さんの施術に魅了される人は多く、今では芸能人などもリピーターとして通うほどの腕前だそう。

認定講師に晴れて合格

「パッション」を大切に

一方プライベートでは、アフガニスタン人の男性と結婚したことをまとめた電子書籍を出版。結婚には宗教の違いなど多くの問題があったが、それでも自分が信じた道を突き進む大切さを本で伝えている。

そして本には、「女性が自分軸を持って生きていけるように」との願いも込めていると野田さんは語った。

「ありのままで生きる方法を模索しつづけて、パッションが一番大切だとわかりました。自分に素直になると世界の見え方がこんなに変わるんだって、今は思いますね」

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