香川・小豆島で活躍するアマチュアカメラマン、TANIOさん。なんと2年先まで成人式撮影の予約が入っているという人気のカメラマンです。
TANIOさんは小豆島出身。高校卒業後に島を出て大阪の制作会社に所属し、アシスタントディレクターから経験を積んで、2つの局で番組ディレクターを務めるまでになりました。その後、アーティストのプロモーションビデオなどを手がける映像ディレクターとしても活動。20年近くを大阪で過ごした後、10年ほど前に故郷の小豆島に戻ってきました。

20年振りに島に戻り、都会とは違う時間の流れや四季の美しさを感じたといいます。

写真で島の魅力を伝えたい

元々趣味として楽しんでいた写真に時間を割くようになったのは、島に戻ってから。海も山もある小豆島にはフォトスポットがたくさんありますが、TANIOさんが撮りたいのは、そうしたきれいな風景のなかにいる人の表情だそうです。

小豆島の穏やかな海を背景に撮った一枚。(C)TANIO

「風景だけで撮ってももちろんきれいなんですが、そこに誰かがいて楽しそうに笑っている写真の方が、その写真を見た人が自分ごととして感じられるんじゃないかと思うんです。その風景の美しさや、その場所に行くことの楽しさがよりリアルに伝わる気がして。それで、自分も行ってみようかな、ここでこんな写真を撮ってみたいな、と思ってもらえるとうれしいです」

あくまで趣味、だから楽しい

撮った写真をSNSに上げるようになると、徐々にフォロワーが増え、撮影の依頼も来るように。成人式の撮影も人気で、2022年は14人もの撮影を行い、すでに2年先の予約も入っているそうです。そのすべてが、島の観光スポットや季節の風景をバックにしたロケ撮影。約2か月間、休日返上で島内を走り回りました。

2022年の成人式の前撮り写真。小豆島の観光スポット、エンジェルロードにて。(C)TANIO

撮影や編集にかかる時間はもちろん、機材のメンテナンスには費用もかかるはず。よく無償でそこまでできますね、と言うと、こんな答えが返ってきました。

「お金をもらっていないから、趣味だからこそ楽しめているんだと思います。これでお金が発生すると、お客さんの要望に合わせたりいろんな注文を受ける必要が出てきますが、それで自分の撮りたいものが撮れなくなってしまったら意味がないんですよね」

2021年12月から、小豆島の観光施設「二十四の瞳映画村」のギャラリーで、TANIOさんの写真展「小豆島を楽しむ人々」を開催中。

これからも趣味でできる範囲で、楽しみながら写真を撮っていきたいというTANIOさん。その先には、島の観光振興への思いがあります。

「僕の写真を見て、『あ、ここ素敵だな』『行ってみたいな』と思って、実際に足を運んでくれる人がいたらすごくうれしいです。長い間離れていたからこそ、戻ってきて島の魅力に改めて気づかされました。僕の生まれ育った小豆島の魅力を、たくさんの人に知ってもらいたいですね」

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