サッカーJ3・カマタマーレ讃岐のDF竹内彬(たけうち・あきら)選手。横浜市出身で国士舘大学を卒業後、2006年に名古屋グランパスでプロ入り。2010年にはJ1優勝も経験しました。その後、ジェフユナイテッド千葉、再び名古屋グランパス、大分トリニータと活躍の場を移し、2018年8月にカマタマーレ讃岐に加入しました。

プロ15年目となった昨シーズンは、全試合に出場し健在をアピール。38歳となった今シーズンもコンディションを維持し続け、キャプテンとしてチームを引っ張る竹内選手に、長く活躍し続ける秘訣や、今後の展望などを聞きました。

ⒸKAMATAMARE SANUKI

プロの世界で苦難を乗り越え

幼稚園の頃に、サッカーを始めた竹内選手。高校3年生の冬に進路について向き合い、4年間ダメもとで国士舘大学に身を投じる覚悟を持った時、初めてプロになることを意識しました。そして、大学卒業後に見事プロ入りを果たしましたが、いきなり壁にぶつかることになります。

高校生時代の竹内選手(左) ⒸKAMATAMARE SANUKI

「最初の1年は全く試合に出ることもできず、苦い思いをしましたね。プロになったはいいけどすぐ1、2年でクビになるんじゃないかという、恐怖というか不安との戦いで」
プロサッカー選手になることだけを目標に努力してきたため、プロの世界に入ってプレーするための準備が全く出来ていなかったと。

そこからのプロ生活も、試合に出場できない時期やチームが勝てない時期、ケガなど辛くしんどい時期がたくさんあったという竹内選手。しかし、プロとして絶対成功したいという強い気持ちから、サッカーを辞めたいと思ったことは一度もないと言います。

「かなりしんどい状態であっても、常にファイティングポーズのガードだけはおろさないというのが自分の信念の中にあって」

最終ラインからチームを鼓舞 ⒸKAMATAMARE SANUKI

コンディション維持の秘訣と今後の展望

プロサッカー選手となり、今シーズンで16年目。小学生の時、横浜市の選抜チームで共にプレーした元日本代表の栗原勇蔵選手や阿部翔平選手など、同年代の選手が次々と引退していく中、竹内選手は選手としてプレーし続け、これまでにJリーグ通算384試合に出場しています。

長くプロを続けることができている背景には、日々のケアをしてくれるメディカルスタッフ、食事を作ってくれる妻、癒しとなる子どもたちなど、いろいろな人の支えがあると言います。

また、「しっかり食べてしっかり寝る」という基本の徹底のほかに、昔からルーティンとして続けているのが、練習後の氷の入った水風呂でのアイシングです。1月の極寒の時期にも行っているそうで、ともすればコンディションを崩しかねない行為ですが、この習慣こそが大きなケガなく活躍し続けることができている理由の1つなのかもしれません。

練習後は氷の入った水風呂に入るのがルーティーン ⒸKAMATAMARE SANUKI

情熱が続く限りこの先も現役でプレーしたいと考えている竹内選手ですが、どんなアスリートにも引退の時は訪れるもの。

「いつか誰でもくるセカンドキャリアのタイミングでも、Jリーグの世界で働きたいなと、力を発揮したいなという思いが強くて」

ブラジル人選手が多く所属するJリーグに携わる上で、1つの武器になればと3年前からポルトガル語を勉強しています。

チームメイトの高木選手と ⒸKAMATAMARE SANUKI

1つでも多くの勝利を目指して

「3年半プレーさせて頂いている中で、クラブまたファン・サポーターの方、地域の皆さんに何一つ恩返しできてないな」

現在、J3で15チーム中14位と低迷するカマタマーレ讃岐。竹内選手は、1つでも上の順位で終われるよう、日々の練習に必死に取り組み、キャプテンとしてチームメイトを鼓舞し続けています。

キャプテンとしてチームを引き締める ⒸKAMATAMARE SANUKI

カマタマーレ讃岐の次戦は10月31日の午後2時から、ホームでFC今治と対戦します。四国ダービーとも称される相手に「当然意識するものもある」と語る竹内選手。どんなプレーを見せてくれるのか、ベテランディフェンダーの活躍に注目です。

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