小豆島に古民家ヨガスタジオがオープン

古民家ならではの広い和室でレッスン。

8月1日、小豆島に「Akasha(アーカーシャ)」というヨガスタジオがオープンしました。Akashaとは、サンスクリット語で「空間」や「大空」という意味。空間や、場の空気感を大切にしたいという思いから名付けられました。

インストラクターの西上さん。

スタジオの代表でインストラクターの西上(にしかみ)桃世さん。島の人たちからはMYON(みょん)ちゃんの愛称で親しまれています。

「人生を豊かにする一つのツールとして、ヨガをできるだけたくさんの人に楽しんでもらいたい。だから、スタジオでは土曜以外すべての曜日にレッスンを用意しています。シニアクラスや男性限定クラスに通ってくださる方もいて、幅広い年齢の方がヨガをしに来てくれています」

「島に来てから、自然がこんなに身近にあるんだと驚かされました」と西上さん。

逃げることは悪じゃない

愛知県で育った西上さん。東京で会社員として働いていましたが、ストレスから鬱になってしまい、休職することに。

「そんなときにヨガと出会ったんです。会社に復帰してからも趣味として続けていたんですが、次第にヨガの方に軸足が移っていって。会社を辞めてヨガインストラクターの資格を取りました」

その後、東京でインストラクターの仕事を始め、少しずつ軌道に乗ってきたときに訪れたコロナ禍。ジムが閉鎖されるなどして仕事ができなくなり、生活が厳しくなってきて、小豆島への移住を考えるように。

西上さんは、2020年7月、小豆島に移住しました。

「10年ほど前に両親が小豆島に移住していて、私も何度か遊びに来たりしていたんです。しかも、東京の生活に疲れたこともあって、2021年には小豆島へ移住しようと考えていて。だから、それがコロナで早まったという感じですね」

昔からの友人には「島に行ってから角が取れた」と言われるそう。

「もし今まだ東京にいたらと考えると、きっとたくさんの情報に振り回されて、こんなに元気でいられてないかもしれない。誰しも、逃げちゃいけない、最後までがんばらなくちゃいけないと知らず知らず思っている部分があるけど、逃げることって悪じゃないと思うんです。イヤになって勝手に投げ出すのと、苦しくてどうしようもなくてとりあえず置いておくことは違いますよね。そうやって苦しいものを手放すことで、その部分に隙間ができて、新しい何かを入れることができるんじゃないでしょうか」

ポーズの正確さよりも、呼吸や自分を見つめることを大切にレッスンを行っています。

ヨガを通して自分を大切に

「小豆島に来て驚いたことの一つが、意外とみんな人の目を気にするんだなってこと。コミュニティが狭いからなのかもしれませんが、何をするにもすごく回りの目を気にしているんです。だから、せめてヨガをしている間は回りのことを気にせず自分のことだけに目を向けてほしい。自分自身、なぜヨガに救われたかというと、自分の今の呼吸とか何を感じているかとか、そういう自分の内側に目を向けることができたから。人間、生きていると外側に意識が向きがちになりますが、それをリセットして自分の内側に目を向けてほしい。ヨガのマットの上に座っているときだけは、家庭内の立場とか、会社内の立場とか、そういう社会的な役割を忘れてニュートラルな自分に戻って自分と向き合ってほしいですね」

自然のなかに身を置き、自分を見つめる。

都会の人こそ島で息抜きを

スタジオではたくさんのレッスンを用意し、多くの人にヨガに触れてほしいという西上さん。さらに、都会に住んでいる人にも、島の自然を感じてもらいたいと言います。

「オンラインのヨガイベントなどを通して島のすばらしい景色を見てもらうことで、都会の人が『小豆島っていいな』『小豆島でヨガやってみないな』と思って、小豆島を訪れるきっかけになったらいいですね。島にはSUPやハイキング、登山など自然と親しむアクティビティがたくさんありますが、ヨガもその一つになったらうれしいです」

10月からはYouTubeチャンネルで、曜日と時間を固定して、無料の15分ヨガレッスンを配信していく予定。そのレッスンは、毎回違う小豆島の自然の景色のなかで行います。

「自然を感じること、ヨガで自分の内側に目を向けることで、少しでも心が軽くなってほしいなと思います。小豆島は、“何もない”がある場所。都会の生活に疲れた人は、ぜひ小豆島へ来てみてください」

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