総再生回数は1650万回以上、チャンネル登録者数は31万人を突破!

「こんにちはー、田舎そば川原です」

ほんわかした口調で視聴者に語りかけるのは、香川県まんのう町で「田舎そば川原」を営む川原恵美子さん、75歳。

2020年5月から、家庭でできる料理のレシピやアイデアをYouTubeで配信しています。わずか1年4か月で、動画の総再生回数は1650万回以上、チャンネル登録者数は31万人を超えました。(2021年9月17日時点)

「立派なYouTuberの仲間入りですね!」と川原さんに声をかけると……

「いやいや『ユーチューバー・バア』なんです、ハハハ。YouTuberという年は終わって、もうおばあちゃんですけどね、それも幸せの一つなんです」

「そうめんゆでるな!」驚きのアイデアで一躍人気YouTuberに!

川原さんが注目を集めるきっかけとなったのが「時間が経ってもそうめんがくっつかない方法を紹介する動画」です。沸騰したお湯にそうめんを入れてふたをし、すぐに火を止めて余熱で5分ほど温めると……なんと、1日経ってもさらさらとほぐれるそうめんに仕上がるんです!

時間も手間もかからない「目からウロコ」の裏ワザはインターネットで瞬く間に拡散され、動画の再生回数は約2か月で414万回を超えています。(2021年9月17日時点)

川原さんいわく「作り置きできるから、何度も熱い火の前に立たなくてもいいでしょ?」

確かに……! 真夏の家事の悩みまで鮮やかに解決する「おばあちゃんの知恵」に、視聴者からは驚きと感動の声が多く寄せられました。

50年ちかく積み重ねてきた「本物のレシピ」をYouTubeで発信!

YouTubeで紹介しているレシピは、川原さんが50年近く書きためたもの。年季の入ったファイルには、手書きのメモが何百枚も大切に保管されています。1つの料理のレシピでも、試行錯誤を重ねたものがたくさんあるそうです。

川原さんがチラシの裏などに書き込んだ大量のレシピ

これまでに公開した動画は150本以上。栗ごはんや肉じゃが、香川の郷土料理「まんばのけんちゃん」などの家庭料理から、バニラアイスやいちご大福といったスイーツまで。川原さんならではのアイデアを丁寧に解説しています。

中でも、きゅうりのワサビ漬けやラッキョウ漬けなどの漬物は川原さんの真骨頂。田舎そば川原でもお客さんにサービスしていて、これを楽しみに来る人も多いそうです。自慢の「ナスの辛子漬け」は、濃いめの甘辛い味付けと後からツンとくる辛子の風味がごはんと相性抜群!

田舎そば川原でも人気! 自家製の漬け物

経験に裏打ちされた「本物のレシピ」が、視聴者から支持を得ています。

レシピだけじゃない! 川原さんの人気の秘訣とは?

「田舎そば川原」の隣には特設の撮影スタジオがあり、週に1度、3本の動画をまとめて撮影しています。

そば屋の隣にある特設の撮影スタジオ

取材の日に作っていたのは「ナスのみそ田楽」と「ピーマンとシメジの炒めもの」。手際よく調理を進めていく川原さん、さすが! と思いきや……

「これ何でしたっけ? シメジ? 75年生きてきてシメジという言葉が出てこない…もう人生最悪ですね(笑) でも楽しくいきましょう、お料理は芸術ですから、ロマンですからね」

時には料理の順番をまちがえたり、材料の名前を忘れたり、思いがけない失敗も、カットせずにそのまま配信。川原さんのポジティブなキャラクターとユニークな川原節も「元気をもらえる!」と大人気なんです。

ナスのみそ田楽とピーマンとシメジの炒めもの

まんのう町から世界へ…長年培った知恵と経験を後世へ残したい

まんのう町で生まれ育ち、結婚や子育てを経て、今は田舎そば川原の女将とYouTuberの「二刀流」をこなしている川原さん。元々は自分の子どものために書き残していたレシピを後世に役立てたいと、YouTubeで動画を配信することを決めました。

「まんのう町がこれから少しでもよくなっていけば、きょうまで元気でおられたかいがあるかなと。まんのう町のために何かひとつ、今までのことを残していけたら幸せかなと思って」

動画では、まんのう町のひまわりオイルや小豆島のそうめん、地元で採れた野菜など、地元の食材がたくさん使われていて、川原さんの郷土愛が伝わってきます。長年培ってきた知恵と経験を、小さな町から世界へと発信しています。

試食シーンの撮影は水車の前で撮るのが定番

川原さんの周りには自然と人の輪が…

「おばあちゃんYouTuber」として活躍する川原さんの活躍を支えているのは、人と人とのつながり。

動画の撮影・編集を手掛けるのは、田舎そば川原の常連客。撮影に使う食材は、近所の農家さんが届けてくれるもの。そして、スタジオの看板は親しい大工さんが作ってくれました。朗らかな川原さんの周りには、いつも自然と人の輪が広がっています。

近所の人や家族が届けてくれた野菜

大工をしている友人が作ってくれた看板

最近ではYouTubeを見たファンが訪ねて来ることも多く、川原さんの励みになっているそうです。

「YouTubeを配信するのは、大変なことは大変なんですけど、私には幸せにつながっているんです。本当にたくさんの人が励ましてくれて、元気でいてくださいね、癒やされます、お母さん、という言葉をいっぱいいただくんです。それが心の栄養剤になっているんです。これからも気長に助けていただきたいと思っています」

料理で出た野菜の皮や切れ端を食べてくれるヤギのハナちゃん

あの大物芸能人とも共演!? ますますの活躍に期待!

YouTubeをきっかけに、川原さんのもとには様々なオファーが舞い込みました。

最近では明石家さんまさんとマツコ・デラックスさんがMCを務める全国区の番組に出演し、2人に「そうめんのゆがき方」と「目玉焼きの焼き方」を伝授したそうです。マツコさんは番組の中で「川原さんの動画を全部チェックしていて、はちみつレモンのレシピを試したことがある」と語りました。

「寝ても覚めてもさんまさんとマツコさんが目から離れないんです。一生感謝して生きていきます」

さらにはレシピの書籍化も決まり、ますます活躍の幅を広げている川原さん。

「再生回数が上がって見てくれよる、この人たちのためにやらないかんなと。もうそれだけです。こつこつといいものを出して、自分の経験を出して、競い合うんじゃなくて共有して、皆さんの支えに感謝しながら、ともによくなっていきたいと思います」

まんのう町のおばあちゃんYouTuber、今後も目が離せません!

チャンネル登録者数10万人を超えると贈られる「銀の盾」

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