「独り勝ちしない」農業で、地域とウィンウィンを目指す挑戦 岡山・真庭市

トラクターに乗る中村妃佐子さん
トラクターに乗る中村妃佐子さん
中村妃佐子さんが働いているのはHAPPY FARM plusRという会社です。耕作放棄地を活用した農業や、農業体験、朝活など農業の楽しさを伝えるイベントを行い、農業を通じ、健康で幸せな生活づくりや、地域の活性化などに取り組んでいます。
中村さんは、代表取締役を務める奥村龍次さんに「一緒に真庭の農業を変えないか」と声をかけられ、立ち上げ当初から会社に関わることになりました。「社長は、どんどん新しい道をつくっていく。私の役目は、その道をみんなが通れる道にしていくことなんです」という中村さんの言葉のとおり、学校へ出前授業にでかけたり、子どもたちが農業体験をすることができるイベントを企画したりして、会社に関わる人たちは少しずつ増えています。
「うちの会社は独り勝ちをしないと決めていて、地域の人たち、働いてくれるスタッフ、いろんな人たちとウィンウィンの関係になることを目指しています」と話す中村さん。今は障がい者などと連携して行う農福連携の勉強をしているということです。
実は中村さんは、農業を始めたばかりの頃、あまり農業が好きではなかったと言います。
「最初は、早く辞めたいと思っていました。でも、いつの間にか農業が楽しくなって……。農業は1人でやっていると大変な仕事なんですけど、うちは仲間がいるからこそできる農業をしていきたいんです。いろんな人たちと手をつないでいきたい」
目を輝かせながらそう話す中村さんの夢は、「子どもからお年寄りまでみんなが集えて、みんなが笑顔になれる場所をつくる」ということなのだそう。中村さんは、少しずつ、でも確実に夢に向かって進んでいます。