「将来の夢はYouTuber」そんな子どもたちも多いのでは?トップYouTuberは憧れの存在。しかし、現実はそんなに甘くありません。YouTubeだけで食べていけるのは、YouTuberの中でも、ほんの一握り。そんな厳しい世界に、会社員を辞めて飛び込んだのが、今回紹介する「ヤグタウン」さんです。

ヤグタウンさんのトレードマークにもなっている愛車の原付バイク

ヤグタウンさんが感じる動画づくりの魅力とは?

信号よりうどん店のほうが多いという冗談話があるほど、香川県には讃岐うどんの店が数多く存在します。ヤグタウンさんは、その本場讃岐うどんの店を紹介する地元YouTuber。ほぼ毎日動画を更新するというヤグタウンさんが、これまでに紹介したうどん店は300店以上(2021年7月末現在)。動画では、店の雰囲気やうどんの特長、セルフ店ならではの支払い方法などを、分かりやすく解説します。どこか親しみを感じる語り口も、ヤグタウンさんの大きな魅力。現在もチャンネル登録者数を着実に伸ばしています。

再生回数50万回を誇る動画「肉盛り放題!!安すぎる210円!! 最強のコスパ! 安すぎる讃岐うどんの名店『一屋』香川県丸亀市」

ヤグタウンさんが、YouTube活動を始めたのは2016年。大学時代の友人から誘われたのがきっかけでした。当時は広島県で会社員として働き、動画の配信は週に1本程度。決まったスタイルはなく、自分で面白いと思ったことに挑戦し、その様子を動画にしていました。そんなヤグタウンさんがYouTubeにのめり込むようになったのは、活動を始めた1年後の2017年。ゲームのプレイ動画をメインに週5本のペースで配信することもあったそうです。

「どうすれば動画をみてくれるのか、なんとなく分かってきて、再生回数を意識するようになりました。撮影や編集を自分なりに工夫し、それが再生回数につながったときはうれしかったですね」

動画編集の様子。動画の再生回数に大きく影響するサムネイルや動画タイトルには特に力を入れます

専業YouTuberになったきっかけとは?

ヤグタウンさんがYouTuberを専業にしたのは、2019年。人生を見つめ直すきっかけとなった出来事があったといいます。

「会社を辞める前年に、父を病気で亡くしました。父は定年退職目前で、これから自分の時間がつくれると話していた矢先のことでした」

人生は一度きり。やりたいことにチャレンジしたいという気持ちが日に日に強くなり、ついには会社を退職。母親が実家で一人だったこともあり、香川に戻って専業YouTuberとしての活動をスタートさせます。

撮影の様子。おいしく食べるため、撮影は基本1日に2店舗

讃岐うどんの魅力を伝えたい!

「1年で結果を出せなかったら、YouTuberをやめる!」強い覚悟を持って臨んだヤグタウンさんでしたが、専業でやっていくことに自信があったわけではなく、動画作りに試行錯誤していました。そんなとき、訪れた讃岐うどんのとある有名店で食べた、うどんのおいしさに感動。讃岐うどんの奥深さを実感します。めんや出汁、トッピングの天ぷらなど、店の数だけうどんの魅力がある。それを動画にして、伝えることができればと考えました。
讃岐うどんの紹介動画を公開したところ好評で、2021年8月現在のチャンネル登録者数は約4万人です。視聴者から声を掛けられることも増えたそう。ラジオの仕事や自治体とのコラボなど、活動の幅も広がり、心配していた母親も今では良き理解者に。YouTube活動を応援してくれています。

店で出会った視聴者に渡すオリジナルステッカー

視聴者と共に成長、目指せ!うどん県の顔

視聴者からの声も大事にするヤグタウンさん。サブチャンネルでは、動画に寄せられたコメントに対し、一つひとつ丁寧に答えます。

「視聴者さんからコメントは、一番の励みです。動画を見てお店に行きました、いつも応援しています、もう少しこうしたらどうですか?など、色々な声をいただきます。コメントを読むと、皆さんに支えられていること実感します。本当にありがたいですね」

サブチャンネルでのコメント返しの様子。運動不足解消のため、近くの海岸を散歩しながら収録するのが日課

そんなヤグタウンさんには秘めたる目標があります。それは、「香川県」に認められること。
「三豊市の高速を降りたところに、うどん県副知事こと要潤さんの大きな看板があります。それを見るたび、いつか自分も……なんて(笑)」
要潤さんに追いつき追い越すまで!? ヤグタウンさんの終わりなき挑戦は続きます。

この記事の写真一覧はこちら