香川県東かがわ市のしろとり動物園。「自由すぎる動物園」がキャッチフレーズで、動物との距離の近さが魅力です。珍しいホワイトタイガー、ゾウやキリンなどの大型動物を始め、カピバラやワオキツネザルといった人気動物、そして犬や猫など、多様な動物が飼育されています。

この動物園で2021年6月5日、3匹のブタの赤ちゃんが生まれました。一般公開はまだで、バックヤードですくすくと育っています。

愛らしい「リアル3匹の子ブタ」の世界へ!

3匹の子ブタは、かえで・もみじ・わかば、という葉っぱつながりの名前。白い子がかえで。黒色が強い子がもみじ。少し灰色っぽい子が、わかばです。

生まれて約1か月、体重は1キロにも満たない3匹の子ブタたちですが、交互に小さな足を出してちょこちょこと走り回り、ブタチームが「おいで」と呼べばついてきます。

3人のブタチーム

ブタの赤ちゃんを育てるため、しろとり動物園には「ブタチーム」がいます。メンバーは兒玉愛さん、山本蓮さん、斎藤瞬馬さんの3人です。

子ブタたちと共に。左から、斎藤瞬馬さん・兒玉愛さん・山本蓮さん

チームリーダーの兒玉愛さんは、しろとり動物園2年目。小動物を担当していて、バックヤードで子ブタの哺育を行ったり、怪我をしたうさぎやハリネズミなどの小動物を治療したりしています。そんな兒玉さんの夢は「プライベートでもブタを飼うこと」だとか。

「しろとり動物園の魅力は、何といっても『動物との距離の近さ』。もっと動物の行動を引き出し、動物の面白さを多くの人たちに知ってもらえるような展示をしたいと思いました」

かえでを見つめる、兒玉さん

兒玉さんの姿を見て動物園の業務を覚えているのが、2021年4月に入ったばかりの、山本蓮さんと斎藤瞬馬さんです。

ブタチームのムードメーカー・山本蓮さん

山本さんは、専門学校時代の研修でお世話になったしろとり動物園へ、縁あってやってきました。斎藤さんは農業高校時代に、牛やブタ、にわとりなどの世話をして動物たちを身近に感じ、専門学校卒業後にしろとり動物園へやってきました。

生後1か月でもすでに、斎藤瞬馬さんの指示が分かっています

3人は朝、バックヤードに入ったらまず子ブタの状態を確認します。朝昼夜のミルクタイム以外には、散歩や芸のトレーニングをします。命と向き合う動物園業務を、3人は良いチームワークでこなしています。

お披露目ショーに向けて特訓中!

「ブタは口角が上がっているので、いつもにっこりした笑顔。嬉しいことがあると、ぐるんぐるんと回り始めて、こっちまで笑顔になります」

口角が上がって、かわいい笑顔を向けます

おいでと呼べばすぐ来て、ご飯をあげるときちんとついてくる3匹の子ブタ。頭の良さも魅力ですが、斎藤さんはさらに続けます。
「寝姿が何とも言えません。ずっと見ていられます。きっと、いい夢を見ているんだろうなぁ」

3匹の子ブタの目標は、ショーに出ること。生育状況を見ながら、およそ5か月後を目標に、ステージでのお披露目を目指しています。

「一般の方が子ブタを見る機会は少ないと思います。ショーでブタさんの賢さ、可愛さを知ってもらいたいです。ブタさん、こんなに可愛いんですよ!って伝えたいですね」と、山本さんは意気込みを語ります。

3匹の子ブタたちのお披露目は、ショーを予定

3匹の子ブタたちもブタチームの情熱に応えようと、そして何より「芸が上手にできると、ご飯がもらえる」ので、トレーニングを頑張っています。

頑張ったご褒美は、ミルクです

「今はまだトレーナーとの関係を構築する最中。一般公開はまだなのですが、もう少し待っていてください。ブタの成長を、お客さんに見守っていてもらいたいです。僕たちもブタといっしょに、いろんなことを学んで頑張っていこうと思います」
トレーナーとしてもさらに技術を向上させようという、斎藤さんの意思も伝わってきます。

しろとり動物園で、愛情いっぱい受けて育ったブタたち。ブタとブタチームの笑顔は、訪れる人にも笑顔をもたらすことでしょう。

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